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そば職人のバターサンド

日本三大秘境の一つと言われる宮崎県椎葉村には、伝統の焼畑農法で、そばを栽培する文化が残る。その村で家族と、そば屋を営む椎葉昌史さん(38)。「村伝統のそばを食べる文化を何とか残していきたい」と奮闘するが、村のそばの生産量は高齢化や担い手不足で年々減少。そこで解決策として考えたのが、2015年に世界農業遺産に登録された「高千穂郷・椎葉山地域」の特産品を練りこんだそばの開発。持続可能な産業を生み出すサイクルを作っていきたいと、クラウドファンディングで支援を募り商品化にこぎつけ、高い評価を受けた。そして訪れたコロナ禍。昌史さんは、おととし、村唯一の菓子店「菓te-ri」をオープンさせたが、売り上げが激減。そんな中で昌史さんが考案したのが、県内産の果実を使ったバターサンド。同じように苦しむ農家と共にコロナ禍を乗り越えようという発想だった。

常に昌史さんの心の中にあるもの。それは村の方言で「かてーり」と呼ばれる‟互いを思いやり助け合う精神”。こうした思いが店の名前にも込められている。豊富なアイデアと行動力で逆境に立ち向かう異色のそば職人の姿を追った。
(製作:MRT宮崎放送 / 貴島 桐人)

 

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