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世界が認めた!ミラクル醤油

世界中のレストランで使われる醤油がある。日本で醤油を使うことの少ない、イタリアンやフレンチにも相性抜群だ。その正体は大分県日田市の鮎から作られた鮎魚醤だ。

この町を流れる三隈川で採れる鮎は、日田鮎と呼ばれ、山からの栄養を多く含み、風味が日本一良いともいわれる。その日田の鮎養殖業者には悩みがあった。年間20トン~30トンの鮎を生産しているものの、旅館などで提供できる鮎は形の良いものに限られる。そのため、年間200kgが規格外品となった。

そこで鮎業者は、地域で信頼の厚い老舗醤油屋合名会社まるはらの原正幸さん(66歳)を頼った。しかし、原さんは頭抱えた。魚から作った醤油、魚醤の代表的なものでいえばタイのナンプラーやベトナムのニョクマムなどがあげられる。濃厚なうまみが特徴で、エスニック料理には欠かせない存在であるが、日本ではその独特の香りが苦手という人も多く、需要が見込めなかったのだ。しかし、研究を重ね生まれた、鮎魚醤にはその独特の臭みがなく、さらに素材のうまみを引き出す特性がある。この特性のため世界中のシェフの心をつかんでいった。ついには、3つ星レストランでも愛用されるまでにいたった。その魅力の秘密に迫る。
<取材先データ>
合名会社まるはら
住所:〒877-0047 大分県日田市中本町5-4
Tel:0973-23-4145
Fax:0973-23-8859
その他の情報 http://www.soysauce.co.jp/

取材後記

今回、大分県日田市の「鮎魚醤」をテーマに取り上げさせていただきました。濃厚なうま味をもつが、独特の香りのため日本では広く浸透していない魚醤。合名会社まるはらの原さんは、そのうま味をそのままに、従来の香りとは一風変わった香りをもたせた、鮎魚醤を開発したのです。この鮎魚醤は、その味と香りが認められ世界の3つ星レストランでも使われるようになっています。

この、作るきっかけとなったのは地域の養殖場が規格外となった鮎を醤油にできないかと原さんに持ちかけたことでした。現在は鮎魚醤の開発、そして販路の拡大により、規格外品の鮎だけでは足りなくなっています。鮎魚醤で地域の企業にも貢献しているのだな、と感心しました。
鮎魚醤の良さを一流のシェフの方に聞くと、味と香りに加え、他の食材の臭みを消す消臭効果もあげられました。肉や魚の臭みを消し、そのうま味を引き立たせるということです。素材を活かす点で、フレンチやイタリアンでも使われ、ある意味全く新しい醤油として使われているのです。

また、原さんはフランスのシェフの頼みで鮎魚醤をペーストにしたものも作成していました。鮎魚醤の特性があるからできたという面も大きいのですが、一番は原さんだからできたということだと思います。いろんな人に頼られ、すべてを受け入れる様な器の大きさと、それを実行するために自身が動き、人に働きかける行動力。そんな原さんだから素晴らしい商品を次々に生み出しているのだと思います。
今回の取材で、水郷日田の伝統と革新を持った一面に触れられ、大変貴重な体験になりました。

担当 OBS 大分放送 三浦 大和

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