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世界に冠たる「鉄のまち」からアツい餃子のまちへ!

『鉄は熱いうちに打て!餃子は熱いうちに食え!』をキャッチフレーズに餃子の街として盛り上がる北九州市の八幡エリア。昭和初期から日本の近代産業を支えた製鐵所の街として大いに繁栄したこの街に賑わいを取り戻そうと、街の有志が結束して立ち上げたのが「八幡ぎょうざ協議会」。その昔、工場労働者たちのスタミナ源として食され、「鉄なべぎょうざ」発祥の地でもある八幡。今なお、根強い人気がある餃子を、総称して「八幡ぎょうざ」と呼び、全国に八幡の名前をPRしようと頑張っている。

その最大のチャンスが10月3日に行われた『全国餃子サミット』と『全国餃子祭り』。全国からぎょうざで街おこしをしている10団体が一堂に会する10万人規模の餃子の祭典だ。九州で初めて開催される一大イベントを盛り上げようと、協議会を中心に計画されたのが「八幡大鉄なべ餃子」。一度に1000個は焼けるという大鉄なべは、新日鉄住金が地元の技術者と共に製作した世界に冠たる鉄の街のプライドと街を愛する市民の思いの結晶。

果たして1000個もの餃子が美味しく焼けるのか?実行委員で料理研究家でもある濱中篤史さん(38)を中心とした八幡の町の人々の熱い思いと奮闘ぶりを描く。
<取材先データ>
八幡ぎょうざ協議会
福岡県北九州市八幡東区中央2-1-1
レインボープラザ3階 北九州市立八幡大谷市民センター内
E-mail:yahatagyouza@freeml.com http://yahatagyouza.com/

取材後記

取材を開始した8月後半、八幡ぎょうざ祭実行委員会のみなさんたちの会合に初めてカメラを持ち込みました。夜8時近くから始まった会議は、11時を過ぎてもまだ終わりません。しかし今だからこそ言えますが、内容はお世辞にも濃いものではありませんでした。準備不足に経験不足。でも集客規模は10万人。これは本当に大丈夫なのか?部外者のこちらが心配になるような内容だったのですが、12時を回ってようやく会議が終わった頃、みなさん一人ひとりにカメラを向けてお話を伺いました。

「八幡の方にとってぎょうさとは?」
この質問に対して、みなさん熱い答えを返してくれました。みなさん、地元の経済や産業を支えて働くビジネスマンであり、主婦であり、その忙しい日々の中、プライベートを削って、いや全て注いでも足りずに睡眠時間を減らして、このイベントに参加しているのです。準備不足や経験不足もなんのその。みなさんとにかく楽しそう。
おそらくこれが仕事なら、時間が足りない準備が出来ていないと焦って重い空気になったりするのでしょうが、彼らは思いはひとつなのです。
<我がまち八幡をぎょうざで元気にしたい!>その思いがあるために集まった有志。

厳しい議論があっても、次の瞬間には「これでフランクフルト焼くといいね!」とかまるで文化祭の学生たちのような笑顔に。
これを見た時に、私はイベントの成功を確信しました。かくして10月4日、5日の2日間。15万人以上を動員する大、大成功!
これから恐らく、九州を飛び出して全国、いや世界にまで本当に飛び出していくのかもしれません。さすが鉄のまちが生んだ熱いアツい八幡の人々に感謝です。

ディレクター RKB毎日放送 三宅 淳二

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