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大隅から世界へ!“軽い”野菜の挑戦

野菜の90%は水!たくさん運びたいのならその水分を抜いてしまえばいい!そんな元運送屋の考えから生み出された「軽い」野菜「乾燥野菜」。
鹿児島・大隅半島では良質な農作物が多く生産されるが、交通の便が悪く、大消費地からも遠い。
全国へ販路を拡大するには輸送コストがかかりすぎていた。
しかし、大隅半島の鹿屋市を拠点とする農業生産法人オキスの岡本孝志社長(54)は、野菜を乾燥させたり、粉末にしたりすることで、一度にこれまでの10倍もの農作物を運ぶことを可能にした。

乾燥野菜は水で戻しさえすれば、5分もかからず食材として使うことができる。日持ちする上、手軽に使えると現在では地元のレストランをはじめ、全国、更にはイギリスや香港、シンガポールの飲食店でも使用されている。
そして、野菜を生産する地元農家にもメリットがある。
今まで商品として成り立たなかったり、曲がったり、少し傷がついた野菜「規格外」の野菜も原料として受け入れられるのだ。
農家からは「お金にならなかった野菜が商品になる。」と好評だ。

鹿児島・大隅半島の野菜を世界に届けたい!ひときわ強い郷土愛のもと野菜の可能性を追求する取り組みを追う。

<取材先データ>
株式会社農業生産法人 オキス
担当者:岡本孝志 社長
住所:【鹿屋本社】〒893-0131鹿児島県鹿屋市上高隈町1910- 3
電話:0994-45- 2508

取材後記

「作るのは上手、売るのは下手」。農業県鹿児島の代名詞とも言われている言葉だ。
つまり、立派な品質の農作物を生産するが、加工・流通のしくみや売るためのアイディアが不足しているというわけだ。
そんな鹿児島の大隅半島で作られた「乾燥野菜」は、まさに不足していたアイディアといえる。
 
日持ちもよく、使い方も簡単、しかも規格外野菜も受け入れられ、農家からも喜ばれる。
 
日本の南の端という弱点を感じさせない商品だ。 乾燥野菜を私も実際に食べさせていただいたが、まず歯ごたえがしっかり残っていることに驚いた。そして何よりおいしい!
船便でも輸出できるというメリットを生かし、今後、更に外国へ販路を拡大するだろう。
乾燥野菜の可能性にこれからも期待したい。

担当:MBC南日本放送  久保 美紗恵

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