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生ごみが大変身!~究極の土壌菌で世界を救え~

宮崎県延岡市の制御盤製造会社、修電舎の一瀬直行社長(65)は、 生ごみを優れた肥料にリサイクルする装置BUIKシステムを開発した。
このシステムで使用するのは内城菌と言われる土壌菌。食品工場などで出た生ごみにこの内城菌を加え、 高温状態で攪拌すると、約8時間で栄養分に富んだ飼料・ 肥料に再生できる。

内城菌は様々な種類の菌が含まれる複合土壌菌。様々な菌の効果で、単体の土壌菌に比べ処理能力が高い。 また熱を好む性質があるため、高温で攪拌する時点で他の雑菌を死滅させることができる。

使用する量も生ごみのわずか1万分の1で済む。 出来上がった肥料を畑で使用すると地力が回復し、農作物がより元気に育つ。家畜や養殖魚のエサに使用すると免疫力の向上につながる。 国際協力機構(JICA)は昨年、このシステムをベトナムの水産物残渣処理で活用し始めた。 ベトナムは世界トップ10に入る水産輸出国としてエビやナマズを輸出しているが、 その加工段階で排出される汚物が大きな環境問題となっていたのだ。 BUIKシステムの導入によりベトナムの生ごみ処理問題は解決の兆しが見えてきた。 修電舎は今後、ベトナムをはじめ東南アジアでの食品残留物、生ごみ問題の解決を目指している。

<取材先データ>
会社名:株式会社 修電舎
担当者:プロジェクト推進室 高見尚吾課長
住所:宮崎県延岡市大武町39番地112(延岡鉄工団地)
電話:(0982)33-3789
HP:http://www.syudensya.co.jp/

取材後記

わたし「修電舎の事業を一言で表すなら何ですかね?」
一瀬さん「う~ん、何だろう…うちはよろず屋やからねぇ」
これは取材中のひとコマ。放送ではご紹介しきれませんでしたが、修電舎さんは「地球を守るエレクトロニクス集団」として
太陽光発電や水処理器など本当に多種多様な事業に取り組まれています。そのため、会社の中はまるで秘密基地。
特に「気合がある人だと開く自動扉」は取材クルーでも大盛り上がりでした(扉の前に立つと体重を利用して開くようです)
そんな一瀬さんのモットーは「気になることがあればとりあえずやってみる!」
新しい技術や製品への関心が強く、いち早く取り入れようとする姿勢は見習わなければならないなぁと、身が引き締まりました。

取材ではゴミ回収業者の日向衛生公社さん、高橋水産さん、太陽農園さんにもお邪魔しました。高橋水産さんでは、BUIKシステムを取り入れた、今は亡き先代のお話をお聞かせいただきました。アレルギーに悩む子どもや孫に安全安心な作物を食べさせたい、との思いから取り入れた、とのこと。BUIKシステムは家族の健康を思う気持ちに寄り添ってくれたのだそうです。先代の思いが詰まったかぼすを手に、涙ぐむ姿が印象的でした。
番組の最後にはベトナムを例に挙げましたが、生ごみ問題は世界共通の話題として今後ますます注目されると思います。私たちの食べ残しが優れた肥料や飼料になり、その命をまた私たちがいただく…。「食物連鎖」をギュッと凝縮させたかのようなBUIKシステムのニーズは、さらに高まっていくことでしょう。放送では紹介できませんでしたが、一瀬さんはもっとレベルアップさせた装置も開発中!今後もますます活躍が楽しみです!
担当:MRT宮崎放送  田淵菜々

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