PageTopButton

玄米まるごと召し上がれ!

農業機械を販売する「中九州クボタ」(熊本県大津町)の西山忠彦社長(59)は、玄米に水を含ませペースト状にしてパンを製造する技術を開発。「熊本玄米研究所」を設立し、本社敷地内に玄米パンの専門店「コメノパンヤ玄氣堂」をオープンした。

玄米は、粉にすると脂分のあるヌカが機械に付着し機械が傷む。殻が固いので細かく砕くことも難しい。また空気による酸化が著しかったことなどから、これまで玄米を粉にする取り組みは行われてこなかった。そこで、玄米をペーストにすることを発案。

しかし、玄米をペーストにする専用のミキサーが無かったため、県内の機械メーカーと開発することになった。重要なことは「温度上昇を防ぐ」こと。熱が高いとでんぷん質が変質してしまうからだ。試行錯誤を繰り返すこと、およそ1年。日本初となる「玄米ペースト専用ミキサー」が完成した。玄米パンとともに、グルテンフリーの玄米パスタ麺も開発。健康志向の高い海外でも好評で、シンガポールを皮切りに世界進出を目指す!

■取材先
会社名:熊本玄米研究所(中九州クボタグループ)
担当者:取締役 井上善夫
住所:熊本県菊陽町原水2897
電話:096-340-5500

■店舗
店舗名:玄米パン専門店「コメノパンヤ玄氣堂」
住所:熊本県大津町引水789-1(中九州クボタ 本社敷地内)
電話:096-293-1323
時間:午前9時~午後5時
定休日:水曜
HP:http://genkido-genmai.com/
<玄氣堂以外の販売場所>
[店舗販売]
=玄米パン=
・熊本「鶴屋百貨店・地下1階」「カリーノ下通・1階ヒノマルマルシェ」「熊本空港・2階」「鶴屋熊本赤十字病院店」

=玄米パスタ麺=
・熊本「鶴屋百貨店・地下2階」「カリーノ下通・1階ヒノマルマルシェ」「鶴屋フーディーワン(全4店舗)」
・福岡「ホールスクエア福岡(キャナルシティ)」
・近畿地方「ダイエー(全店舗ではない)」
・東京「銀座熊本館」

[通信販売]
=玄米パン・玄米パスタ麺=
・「玄氣堂ホームページ」「Amazon」「ヤマダモール」

取材後記

「ものづくりには“志”が大切である」、これがよく分かる取材であった。
中九州クボタの西山社長は、生まれ育った農村が疲弊していくのを見て「日本の原風景である中山間地の米作りを支援したい」という想いがあった。

熊本玄米研究所の瀧尾技術部長は、前職で米粉の研究と普及に取り組む中で、「米粉には白米以上の栄養はない」と米粉に期待をする人たちをガッカリさせてきたことを今でも後悔している。「“栄養価の高い玄米”で喜んでもらえるものを作りたい」、そう考えていた最中に西山社長と出会うことになる。

来年に発売を予定している「グルテンフリーの玄米ペーストパン」。瀧尾部長は、今再び、大きな壁に立ち向かっている。ものづくりの精神を持った男たちの志が、新たな道を切り開くことを期待している。

担当:RKK熊本放送 平松幸徳(AREA)

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

radiko 防災ムービー「あなたのスマホを、防災ラジオに。」