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大島紬に維新の輝き!『平成西郷星』

鹿児島県奄美大島発祥の伝統工芸「大島紬」。近年、生産量は激減。後継者もなかなか育たず、業界は衰退の一途をたどっている。
「今がんばらないと、大島紬は消えてしまうかもしれない―」。鹿児島市の伝統工芸士・重田茂和さん(57)が考えたのは、薩摩の英雄・西郷隆盛にちなんだ新しい柄を作るプロジェクトだった。来年は明治維新150年。そして今年は、幕末に開かれた「第2回パリ万博」に薩摩藩が出展してからちょうど150年になる。

これに合わせ、重田さんらは、鹿児島の伝統工芸品を再びパリで披露するイベントを企画した。2月。プロジェクトは本格始動。業界を盛り上げたいと、伝統工芸士の有志らが参加。プロデューサーを務めることになったのは西郷隆盛のひ孫・西郷隆夫さんだ。勝負をかけた新しい柄。名前は「平成西郷星」に決まった。

西郷隆盛が死した1877年の西南戦争直後、地球に接近しひときわ輝く星を、人々が西郷と重ね合わせ名付けた「西郷星」。その逸話からイメージした、格子の中にキラキラと星が輝くデザインだ。10月。職人たちの技と想いをのせ、「平成西郷星」はパリへ。大島紬に維新なるか。西郷星が世界で輝く。
■取材先
代表者企業:株式会社ランコントル1
代表:重田茂和さん
住所:鹿児島市下福元町6952-1
電話:099-261-7708
HP:http://www.rencontre.jp その他:「平成西郷星」は来年以降、受注販売予定。

取材後記

渋くて、品があって、多くの人が憧れる大島紬。
“高価な着物”としても知られていますが、取材をしてみて納得でした。
ひとつの反物ができるまでに半年以上。
30以上もある工程ごとに、こんなに多くの職人さんたちが関わっているなんて。
ひとつひとつの反物が、熟練した技と、大島紬への想いが詰まった集大成なんだと思うと、胸が熱くなりました。
 
業界を盛り上げ、後継者の育成につなげたいと始まった
「平成西郷星」プロジェクトですが、
ファッションの国・フランスでも高い評価を受け
リーダーの重田さんは大きな手ごたえを感じているようです。
 
来年には受注販売が始まり、平成西郷星の柄の着物や、
ネクタイ・バッグなどの小物もお目見えするそう。
「いずれは鹿児島を象徴する柄に成長させたい」と話していました。
 
来年は明治維新150年。
大河ドラマ「西郷どん」の放映も控え熱く盛り上がる鹿児島ですが、
「平成西郷星」の出現が大島紬業界にどんな影響を及ぼすのか。
今後の展開が本当に楽しみです。

担当:MBC南日本放送 執行真希

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