沖縄を売り込め！不況を打ち破るデパート戦略

昨今、閉店や撤退のニュースが聞かれるデパート業界で、去年度売上高が過去最高、という奇跡のデパートが沖縄にある。 戦後の米軍統治下の海外貿易から始まり、今年創業70年を迎えるちょっとユニークな歴史を持つ「デパートリウボウ」だ。しかしリウボウも５年前まで多くのデパート同様に売り上げ低迷で苦しむ地方のデパートの１つだった。

そんな状況を打開したのが、糸数剛一（いとかずごういち）会長（59）。
糸数会長が仕掛ける奇跡のV字回復戦略とは？
成功のキーワードは「独自性」、「楽園」そして「原点回帰」。
沖縄独自の食文化や工芸、リゾート感を売りに「ここにしかない」溢れるワクワク感を作り出す。また外部のプロの力も積極的に取り入れて新しい風を呼び込んで、大胆な変革が進む。

客を待つのではなく、自ら売り込み、攻めのデパートへ。かつての琉球王朝の大交易時代の復活だ。目指すは世界のマーケット。健康志向が強いアジアでは、沖縄の「からだにいいもの」をPR。「沖縄って美味しい！」「子供にも安心して食べさせられるわ」とマレーシアの富裕層たちはその美味しさとコンセプトに大満足。沖縄の力を活かすデパートリウボウの戦略に迫る！

全国でデパートの不況が報道される中、沖縄唯一のデパート「リウボウ」は元気だ。次々と大胆でワクワクする企画を打ち出し、人気が再燃中。店内にはいつも県内の買い物客に混じって多くの海外観光客の姿が見える。なぜ彼らはリウボウに足を運ぶのか？一時期激減した県内買い物客はなぜ戻ってきたのか？

リサーチを進めると1人の人物の存在に突き当たった。糸数剛一（いとかずごういち）会長だ。大手コンビニエンスチェーンからリウボウ社長・会長として白羽の矢が立って５年。なんとリウボウは奇跡のV字回復！
糸数会長率いるリウボウは「沖縄の独自性」「沖縄のいいもの」で他と差別化をはかり、昨今の健康志向を「からだにいいもの」として発信している。プロ集団で「沖縄」を売ろうと目論んでいる。

しかもオーガニック志向のアジアに向けて沖縄の食でアピール。アジア、２０億人のマーケットへ「沖縄」を打ち出し、挑戦をスタート。なんともワクワクする動きだ。そんな元気なリウボウの秘密と挑戦、決して沖縄だからできると言うことではなく、他の地域でも見方を変え踏み出す一歩で可能なのではないか。そんな思いでリウボウの秘密と挑戦を追った。