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信州の年末年始 「お年取り」と「二年参り」

信州取材中に耳にして「何それ?」となった年末年始ワードが「お年取り」と「二年参り」。
はっきり言いましょう。福岡ではないワードです。

まずは「お年取り」。
大晦日に、一年のうちでもっとも豪華な食事を食べることをさして、こう言うそうです。
「うちのお年取りのお酒は…」とか、「年取り魚は…」とか、信州人は口にします。
福岡、たぶん大晦日は普通の食事、もしくは年越しそばじゃないですか?
信州の大晦日は、家族みんなで集まっておごちそう大会なんですよ。
おせち料理のスタート!という家もあれば、おせちとは別のごちそうが用意される家もあるとのこと。
以前インタビューした映画監督の山﨑貴さん(松本市出身)は、「ええ?大晦日っておせち料理解禁の日じゃないの?」ておっしゃってましたもん。
年取り魚は大晦日に食して、そのまま正月の雑煮や料理にも使われます。
その魚について、松本市の大衆割烹の店「佐廼春」の大将・西村昭雄さんは「松本はブリ。長野はサケ。」と教えてくださいました。
昔から、ブリは日本海側・富山県の氷見から飛騨高山を経由して野麦街道を通って松本に入ってきていました。
サケは長野まで遡上していたという話もあるようです。

 

まあ、いずれも大型で豪華、かつ塩蔵で長期保存と輸送が可能なので、海のない信州でもおいしくいただけたわけですね。
ちなみにお正月の魚については大まかに言って、東日本はサケ、西日本はブリと言われています。
その境目は糸魚川静岡構造線とほぼ一緒だそうで。
ゆえに長野と松本は魚種が違うのでは?

そして「二年参り」。
松本市観光プロモーション課の辻本雄汰さん曰く「神社やお寺に年が変わる前にお参りして、また年が変わってお参りすることを言います。
大晦日の夜、神社やお寺は年を越す人でいっぱいで賑わってます。
出店とかも出てるし。松本は寒いですけど(笑)。」と。
行動自体は福岡はもちろん全国で行われていることですが、それに名前があったとは…。
まあ福岡でいう「三社参り」も、他県ではあまり言わないようなので、地方文化の表れのひとつという感じですね。

松本平は小正月の行事もなかなか盛んでおもしろいですよ。
松本市や安曇野市などでは、どんど焼きは「三九郎」と呼ばれます。
町会ごとに、門松に使われていた松や竹、家々の正月飾りやダルマ、書初めなどを、大きな円錐形に形取り(高さ2~3mとか)燃やし、その火で「繭玉」と呼ばれる枝に花のように餅をつけたものを焼いて食べるんです。
ぜひ一度、小正月にに出かけてみて!
□ 新まつもと物語 →  https://visitmatsumoto.com/ □ 長野県公式観光サイト →  https://www.go-nagano.net/ □ 信州まつもと空港地元利用 →  https://www.matsumoto-trip.com/airport-arrival/

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