PageTopButton

心音が“見える”!超聴診器

潜在患者数100万人。高齢者に多い、心臓の病気「大動脈弁狭窄症」は症状が出にくいため、発見が遅れると突然死などを引き起こす。この怖い病気を症状が出る前に早期発見し、治療につなげようとする男がいる。現役の医師で、医療系ベンチャー企業の代表・小川晋平(36)だ。

開発しているのは「超聴診器」。胸に当ててわずか数秒で心音や心電を分析し、心臓の動きを波形でデータ化。“聞く”だけだった聴診器の音が、目でも“見える”のだ。これまでの聴診は医師の耳とスキルだけが頼りだったが、超聴診器は”異常心音”の兆しを医師に知らせ、診断を補助する。心臓の専門医が担当しない場合でも異常心音を発見しやすくなるのだ。
また、これまでの聴診は耳で聞こえる範囲で診断していたが、超聴診器は人間の耳では聞こえない音の領域まで解析。さまざまな病気の兆候を探る可能性を秘めている。

さらに「遠隔医療」の活用も構想している。将来的には一般の人が聴診器でとった心音のデータを、インターネットを介して遠くに居る医師に送信して診断することで、医師不足の地域医療にも役立てたい考えだ。地方の医師不足、高齢化社会の救世主となるか?
■取材先
会社名:AMI株式会社
担当者:小川晋平 代表取締役
住所:熊本県水俣市浜松町5番98号
電話:0966-83-9632
HP:https://ami-kumamoto.com/

取材後記

医師を象徴する“聴診器”。
200年以上、ほとんど変わっていないことを知り、驚きました。
変化していないということは、それだけ優秀な医療機器であるということ。
小川晋平医師も、熊本地震の際、医療ボランティアで被災地をまわった時に、聴診するだけで人々が安心することに気づき、従来の聴診器の素晴らしさを改めて実感されたそうです。超聴診器と昔ながらの聴診器の併用を考える小川医師は、
アナログな聴診器を熊本の伝統的な金細工「肥後象嵌」で作る面白い試みもされています。
革新だけでなく、伝統と患者の心を重視する小川医師なら将来、医療の未来を明るく変えてくれるはず!3年後の実用化を心待ちにしています。
担当:RKK熊本放送 岩永 典子

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう