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変幻自在・石灰ワールド

建築用の漆喰や運動場などに引く白線、土壌の中和剤…多彩な用途に使用される「石灰」。中でも生活に身近なものは袋詰めの食品に入っている「乾燥剤」だ。
その石灰乾燥剤の生産量で国内トップクラスを誇るのが熊本県玉名市にある「有限会社 坂本石灰工業所」。関東にある工場を含めると1日200万袋、使用する石灰は1日30トンにもなる。 創業は江戸時代後期といわれ、約50年前に日本で初めて「石灰乾燥剤」を商品化した会社でもある。

石灰の特徴の1つが水をかけると最高300度に達するほどの高温状態になること。一歩間違えば事故を引き起こす可能性もあるが、坂本石灰工業所は石灰岩に含まれる成分分析、それに応じた加工方法、他素材との組み合わせることなどの方法で発熱温度をコントロールするという技術を持つ。このため多方面の企業から用途に合ったオーダーメイド商品の開発依頼が寄せられる。

例えば冷蔵庫に使用する家電用の粉末石灰乾燥剤や食品関係の、誤飲しても発熱しない乾燥剤。さらには全身麻酔の際に必要となる「二酸化炭素吸収剤」の国内初となる商品も開発、医療分野にも進出した。そんな中、現在改良を重ねているのが初めて一般向けに販売しようという「火を使わないお灸」。「他が作らないものを作る」坂本石灰工業所の挑戦を追った。
■取材先
会社名:有限会社 坂本石灰工業所
担当者:高木
住所:熊本県玉名市下273-1
電話:0968-46-6165
HP:http://sakamoto-lime.com/new/

取材後記

今回、調べるまで全く知らなかった“坂本石灰工業所”、そして“石灰”について。
しかし、知れば知るほど興味が湧く存在でした。
企画開発室の高木さんはいつも笑顔。研究さえも楽しんでいるかのよう。
その温かいオーラがあるからこそ、社員も社外スタッフも自由に意見や感想を述べることができ、それがヒントになり頓挫した研究が進んだり、新しい商品開発につながっていることがわかりました。

企画開発を後押しする坂本社長。
「開発の期限は切らない」、「倫理に外れない常識破りの“ちょい悪”OK」という 懐の深さが、これまでにない新商品開発につながっているのだと思いました。
会社では石灰以外の「マイクロカプセル」にも取り組み、こちらも多くの企業と取引しているとのこと。

「良いものを作るとみんなが喜ぶでしょ?それで自分も嬉しくなる。」。
笑顔で語る高木さん。今後、どんな新商品を生み出すのか楽しみです。
担当:RKK熊本放送 久保田泰代

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