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道を守る水性ペイント

主に高度経済成長期に整備された「道路」や「橋」などの交通インフラ。
しかし年月が経ち、それらの老朽化や景観の維持などの問題は、管理する自治体や住民にとって悩みの種だ。そんな現状を解決したいと考えた熊本県天草市の建設会社「アマケンテック」は画期的な塗料を開発、2年ほど前から本格的に販売を始めている。

一般的に道路の舗装に使われるのは「塗付するとはがれにくい」、耐摩耗性・密着性に優れた油性塗料だが、一方で人体への影響が懸念されてきた。これに対し、アマケンテックが開発したのは“環境にやさしい水性塗料”。有害性がなく、無臭。さらには水性塗料の弱点とされてきた耐摩耗性にも優れており、“これより強固な水性塗料はない”と開発者の米田社長は自信を見せる。その塗料を含むものが橋の劣化を防ぐ「ブリッジガード」や、道路の縁石周りに生えてくる雑草の成長を抑制させる「クサデナーズ」などの機能的かつユニークな名前の商品。通常の建設現場で多用されているローラーなどで塗ることができるため、誰でも簡単に塗装できるのもメリットだ。

これらを使った道路施工は熊本にとどまらず愛知県の高速道路などにも利用され始めた。そのアイデア・技術に迫る!
■取材先
会社名:アマケンテック
担当者:環境事業部 村田章后
住所:熊本県天草市河浦町今田3061番地
電話:0969-76-1711
HP:http://www.amakentecc.jp/

取材後記

アマケンテックの社長で、水性塗料の開発者でもある、米田賢史さん。お会いさせてもらって、「なんて気さく方なんだ!」というのが第一印象でした。番組の中で一部紹介させてもらいましたが、製品名に対する薄い(?)思い入れとは対照的に、“どんな性能の塗料が必要とされているか”、“どんな材料を使えば、その塗料はできるのか”ということをずっと考えていらっしゃいます。インタビュー中も、私が尋ねたことに答えていたのに、話はいつの間にか自身の考え事にすり替わってしまうことがしばしば…。

でも、そのような状況になっても、逆に私たちを楽しませてしまう米田社長の人柄や醸し出す空気感を、番組を通してお伝えすることができていたのなら嬉しく思います。アマケンテックには、定年退職という概念が今のところはないそうで、71歳の社長はじめ、ベテラン社員も数人いらっしゃいます。

働きたいだけ、働く。とにかく、塗料でみんなの暮らしに役立つものを作りたいと笑いながら話す、米田社長。次に生み出す塗料はどんな性能を兼ね備えたものか・・・楽しみでなりません。
担当:RKK熊本放送 藤本 聖子

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