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家業アトツギ支援 ISSIN#2 福岡県からホンモノで世界を目指す!”八女茶の茶香炉”と”だいだいぽんず”

いま、日本は少子高齢化で中小企業の後継者不足で”アトツギ”がいないという問題が深刻化しています。そこで現在、若い世代が後を継ぐことで家業を発展させる事業改革が注目されています! 福岡県は去年7月から若い世代の家業後継者を支援するプログラム「ISSIN」をスタート! 「ISSIN」とは、”スタートアップ企業”と”事業後継者であるアトツギ”を対象に福岡から世界で勝てるホンモノの商品を輩出することが目的のプログラム。国内屈指の起業家がアドバイザーとして、事務局と一体となりアトツギ企業を今年3月のクラウドファンディングによる資金調達まで支援。新規事業、商品開発、ビジネスモデルの変革に取り組むことで、アトツギ企業を成長させる取り組みです。現在、アトツギ支援は県内の10社が参加、タダイマ!ではその新商品開発の模様を追いかけています。

3代目開発!八女茶の香炉

創業66年、老舗の風格漂う「原野製茶本舗」。こちらのアトツギは3代目となる原野真樹さん29歳。大学卒業後、一般企業に就職しましたが、後を継ぐために6年前に帰ってきました。原野製茶本舗はオリジナルブランドの「奥八女茶」をはじめ、焙煎にもこだわったたくさんの煎茶を販売しています。 真樹さんの父、現社長である原野弘典さんも10年前からいち早く、お茶を使った新商品作りに取り組んできました。茶の葉ようかんやお茶を使った豆菓子、また、グルメ情報サイトの「ぐるなび」で特選を受賞したというお茶の金平糖も! 和菓子店とコラボして、地元の活性化を目指し商品開発を続けてきました。ほかにも、父弘典さん、玉露入りのお出汁や玉露入りの辛子高菜漬けなどを開発したアイデアマンなんです。
その父に負けじとアトツギの3代目が「ISSIN」の支援を受け、驚きの発想で開発したのが八女茶を使った「茶香炉」。上皿に茶葉を乗せ、キャンドルを焚くとお茶の香りが楽しめるというもの。ろうそくの火でゆっくり茶葉を焙煎すると、およそ10分ほどでお茶のいい香りが広がっていきます。 真樹さんが香水などの人工的な香りが苦手だったため、自然な香りで空間を満たしたいという思いから開発したという「茶香炉」。自身が企画・デザイン、設計まで担当しました。そして「ISSIN」で知り合ったアトツギ仲間の陶芸家に協力を仰ぎ、温かみのある陶器として仕上げてもらった逸品です。どの茶葉が合うか?何度も何度も自宅でテストを重ねた結果、茶の定番の香り「煎茶」、甘い香りが際立つ茎の部分「白折れ」、上品で奥深い香りの「玉露」、専用茶葉は3種類セットで販売することになりました。お茶には消臭効果もあり、1回5gの茶葉で6畳ほどの部屋に香りが十分に広がります。 寝る前に電気を消して穴から漏れる光を楽しんでもらうのも茶香炉の魅力の1つ。お茶を飲むだけではなく、アロマ的に楽しむ。「ISSIN」の支援で誕生した茶香炉は3月中旬のお披露目イベントに登場する予定です。 〇創業66年「原野製茶本舗」…福岡県広川町 HP:https://haranoseichahonpo.com/

料亭の味の水炊きポン酢!

福岡県古賀市青柳町。旧唐津街道沿いにたたずむ創業大正5年、100年超えの歴史を刻む「青柳醤油」。4代目となるアトツギが崎村幸平さん33歳です。建物や道具も創業当時からのもの。歴史ある火入れ窯の蒸気で醤油を加熱殺菌し、ブレンドして独自の味に。さらに半年をかけて熟成、自慢の醤油が完成します。青柳醤油の一番人気は「博多あまくちしょうゆ」。そこまで甘くなく、あかね色の醤油で、食材の色みを損なわないのが特徴です。 昔ながらの醤油の製法と味を生かしながら、幸平さんの父・知弘さんが10年前から開発をはじめたのが、パンチのある味わいの”ぽん酢シリーズ”! 最初に開発された「梅ぽんず」は、江戸時代から続く地域の食文化、熟成した梅シロップ(腹痛などの常備薬として使われていた)とミックスして生まれたもの。さらに古賀市特産のミカンを使ったサラダにも合う「みかんぽんず」。「赤梅ぽんず」は、たっぷりの梅酢を使用、鮮烈な酸っぱさと、さわやかな後味が特徴です。ほかにも大分の柚子や能古島の甘夏など、産地の特産品を生かしたこだわりぽん酢シリーズ。いまでは青柳醤油の看板商品となっています。
さて、4代目が「ISSIN」のアトツギ支援を受け、あえて王道に立ち返り、新たなぽん酢を完成させました! それが博多水炊きに合うぽん酢「博多だいだいぽんず」です。博多の郷土料理の水炊きをよりおいしく食べるためのぽん酢なんだとか! まず本場・枕崎のかつお節と最高級羅臼昆布を炊いて濃厚なダシを取ります。30分ほどで香り豊かな黄金色の和風出汁が炊き上がりました。そこに国産100%のだいだい果汁をたっぷりと投入。さわやかな香りが広がります。あとは砂糖と塩を入れ、かく拌し、丸大豆醤油を合わせれば出来上がりです。芳醇なだいだいの香りが広がるまさに料亭で出されるようなぽん酢に仕上がりました! 「ISSIN」に参加して改めて商品作りの大変さを感じた4代目の幸平さん。今後の青柳醤油の発展に向け、奮闘中です。 〇創業106年「青柳醤油」…福岡県古賀市青柳町 HP:http://www.aoyagi.tv/

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