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クジラが歌う海

鹿児島市から南に、およそ400キロ。南国・奄美大島の海には、サンゴ礁が広がり、熱帯魚が泳ぐ。島在住の水中カメラマン、興克樹さん(45)は、美しい奄美の海を撮り続けてきた。興さんがいま惹かれているのが、ザトウクジラ。
奄美沖では春先、300頭を超えるザトウクジラがやってくる。ザトウクジラは仲間とコミュニケーションをとるため、「歌」を歌うといわれている。興さんは撮影中、クジラたちの歌声を何度も聴いた。
ザトウクジラは大きいものでは、体長10メートルを超える。船から泳ぐ姿を見ることができる「ホエールウォッチング」や、クジラと一緒に泳ぐ「ホエールスイム」が人気だ。
クジラ目的で奄美を訪れる観光客も増えてきた。一方で、人がクジラに近づくことで、回遊や繁殖に影響を与えるのではと心配する声も上がった。
このため興さんは4年前、奄美周辺でクジラの生態などを調べる団体を立ち上げた。地元のダイビングショップなどと協力して、奄美周辺のクジラの出現ポイントや回遊ルートなどを調査。その成果をもとに、クジラへの影響が小さい観察ルール作りに取組んでいる。「次の世代でも、クジラを見守っていけたら」。クジラの保護と観光の両立を目指して、興さんの挑戦は続く。
(制作:MBC南日本放送 / ディレクター:大内 裕貴)

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