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中学生になった91歳のおじいちゃん

ビジネス

私たちはいま、中学校を卒業するまで当たり前に教育を受けることができる。ではもし、それが“当たり前”ではなかったら。北九州市の城南中学校にある自主夜間中学は、貧困など様々な理由で子どものころに学校に通うことができなかった人たちが集まっている学校だ。
現在、20人の生徒がいる学校にこの春、一人の新一年生が入学した。筒井平一郎さん御年91歳。学校の歴史の中でも最高齢だ。八幡東区に生まれた筒井さんの幼少期は、第二次世界大戦が激化していた時代。「富国強兵」の名のもとに多くの若者が戦地へと徴兵された。筒井さんも例外ではなく、八幡製鉄所で働きながら通っていた旧制中学を陸軍への入隊を機に15歳で中退。その後、終戦を迎えたが再び教育を受ける機会は訪れなかった。「勉強したかった」心残りがあるまま、その後の人生を生きていた筒井さんだが、去年、妻が亡くなり独り身になったことで再び勉強したいという思いが込み上げたという。そんな筒井さんが通う夜間中学はこの秋、城南中学校の文化祭で合唱を披露することになった。
70年の時を経て取り戻した、現代の子供たちが当たり前に過ごす青春。人生における本当の幸せとは何かを描く。
(制作:RKB毎日放送 / ディレクター: 村橋 佑一郎)

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