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古本タケシマ文庫~29歳古本屋店主の日々~

熊本市中央区。繁華街から500mほど離れたところにある古本屋「古本タケシマ文庫」は、蔵書数およそ4,000冊の小さな店だ。店主の菅原龍人さん(29)は、実は特別な本好きというわけではなかった。自分で何か商売を始めようと思い、2年前の7月に祖父の蔵書を元手に、なんとなく古本屋をはじめた。もともと自分から人に関わっていくタイプではなく、最初の頃は接客も「顔から火が出るほど恥ずかしかった。」と語る。しかし、開店して2年7ヶ月。今では、ベテランの古本屋にまじっての本の競りにも慣れた。最近は、お客さんに頼まれて喫茶店に置く本を選ぶ仕事を引き受けたりなど、従来の古本屋以外の仕事にもチャレンジしている。
菅原さんには、古本の魅力を知ることになった一冊の大切な本がある。それは、菅原さんが中学3年のとき亡くなった母の本。その本は、菅原さんにそれまで知らなかった母の意外な一面を教えてくれた。本には、それぞれ古本屋にたどり着くまでの物語がある。仕事帰りに寄ってくれる常連客、亡くなった父親の本を売りに出す男性、年老いた両親の蔵書整理をする夫婦。本と人の物語に触れながら生きる菅原さんの日々を見つめた。
(製作:RKK熊本放送 / 松田 望)

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