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世界にひとつだけの服

海外から買いつけた生地をふんだんに使い、フリルやタックがたっぷりと入ったロマンティックなブラウスやスカート。これらの服は全て手作りで、この世に一つしか存在しない一点もの。ブランド「モヒカンポシェット」の櫻井貴容子(さくらいきよこ)さん(41)の作品はブラウスが3万円から、コートやワンピースだと10万円以上するものもあり、かなり高額だが全国に熱心なファンがいる。既製の服にはない独特のシルエットや生地が、着ている人に特別感を与えるからだ。

櫻井さんは服を作る際、型紙は一切使わず仮縫いもしない。トルソーに直接生地を置き、見た目と感覚で生地を切ると、そのままミシンで縫い進め、ほぼ1日で1作品を作り上げていく。理学療法士だった経験も生かし、動きやすさにも配慮した作品になる。華やかな作品は特別感があるが、櫻井さんは普段着として活用してほしいと考え、生地は丈夫で機能的なものを選び、縫製も丁寧に手掛けている。自らの洋服をアートだと考え、これまでは夫の栄一さんと全国の百貨店で展示販売会を続けてきた。
この夏、これまでの活動が実を結び、初めて美術館で個展を開催することになった。普段の製作から作品展のオブジェクトづくりまでを通して、櫻井さんの服づくりへの思いに迫る。

(製作:RKK熊本放送 / 内藤 郁美)

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