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愛する妻へ~想いは彼岸花にのせて~

稲作が盛んな鹿児島県伊佐市大口大田。秋の彼岸のころ、農道わきが真っ赤に染め上げられるスポットがある。その正体は彼岸花。満開になると県内外から一目見ようとたくさんの見物客が訪れ、唯一無二の風景を楽しんでいる。

その圧巻の光景をつくりだしているのが、上田篤(かんだ・あつし)さん91歳、たった1人。彼岸花を育て始めてから今年で14年。暑い日も寒い日もほぼ毎日、生い茂った草木を刈ったり、球根を植えたりと1人で世話をしてきた。たくさんの人に見に来てもらえることが原動力となり、今では500メートルを超える彼岸花の絨毯が秋の田園風景を赤く彩る。

地域の人や市の職員らも黙々と頑張る上田さんを気にかけ、彼岸花をPRしたり交通整理を手伝ったりと、取り組みを始めている。しかし、花の世話に関しては頑なに1人で行う上田さん。
なぜ広い敷地を誰の手も借りず、たった1人で世話をしてきたのか。きっかけは、14年前に他界した、愛する妻が残した一言だった。

(製作:MBC南日本放送 / 鮫島 薫乃)

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