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児童労働をなくす!ベビー服

オーガニックコットンのベビー服ブランド「Haruulala」。出産祝いの贈答品として人気である。理由は、赤ちゃんに優しい素材を使っていることにあるが、もうひとつ優しさのポイントが。

それはバングラデシュの児童労働をなくす取り組みを行っているということ。つまり製品は全てバングラデシュ産。100万人以上いるといわれる、経済的な理由から働くことを余儀なくされている子どもたち。その問題解決の糸口として、親の雇用を作ろうというのである。

社長の中村将人さん(35)は、児童労働の問題を知った当初、解決に向け、現地で養蜂やパンの製造など様々なビジネスにチャレンジしたがことごとく失敗。しかし諦めることなく4年前、バングラデシュでは服の製造が盛んであることに着目し、ベビー服ブランドを立ち上げたのである。

現在働く200人の従業員の多くは、読み書きができず、他では働けない人たち。工場では、賃金はもちろんのこと託児所を併設するなど働きやすい環境が口コミで広がり、毎日「ここで働きたい」という希望者が集まるという。
しかし、まだまだ目標が達成できていないと中村社長は「ビジネスモデルを確立し、それを広げていきたい」と意気込んでいる。

会社:サンデーモーニングファクトリー
住所:〒813-0034 福岡県福岡市東区多の津4-14-1(ボーダレスジャパン内)   
電話:092-292-5791

店名:so many years 天神ソラリアプラザ店
営業時間:10:00-20:30
住所:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神2-2-43 ソラリアプラザ B1F
電話:092-733-7551
 

取材後記

『貧困の家庭に生まれた子でも、自分の努力次第で負の連鎖から抜け出し、夢をもち、生きていくことができる社会を創るため。そしてそれを私だけでなく社会全体で創っていきたいです』。オーガニックコットンのベビー服ブランド『Haruulala』を手掛けるサンデーモーニングファクトリーの中村社長の言葉です。
アジア最貧困国ともいわれるバングラデシュの児童労働問題を解決するためのビジネスに取り組まれています。上記の言葉には、夢物語だけではなく、実際に現地で働く子供たちを見てきたからこそのリアルで重たいニュアンス、そして中村社長の決意を感じます。

 今回の取材では、コロナ禍ということで現地へ伺うことはできませんでしたが、オンラインでインタビューするだけでも、バングラデシュには貧困からくる児童労働で苦しんでいる人がいることを実感しました。パソコン画面を通してですが、インタビュー中は私の目の前に現地で働く当事者が存在するのです。当たり前のことですが、改めて考えさせられ、私にとっても身近な問題であることを認識しました。そのリアルさを番組を通して伝えたかったのですが、いかがでしたでしょうか。

 そのインタビューでカットした部分も多々あり、その一部もご紹介させて下さい。インタビューさせて頂いた工場長・アミンさんも、従業員の女性・シャハナさん(23歳:1児の母でシングルマザー)も、工場のスタッフ、従業員が助け合い、困っている人がいるとみんなで解決すると、そのことを幾度となく話されていました。一般的な現地の工場では、給料未払い、突然の解雇が常態化している中、ここまで人の意識を変え、作り上げた中村社長の熱意には頭が下がります。

 ソーシャルビジネスや環境問題・ボランティアなどに取り組んでいる方の取材をさせて頂くと、毎回自分自身の生活を見直すきっかけとなっています。番組であった中村社長の言葉を一部お借りすると「その問題を知った今、知らないふりをして生活するのではなく、自分にできることを考え、実行していきたい」取材を通して、そう思わされました。

(RKB毎日放送 松井聡史)

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