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ヌチグスイでおもてなし ~50の食材で1人前!母娘で作る島朝食~

沖縄では、医食同源の思想から、健康に良い食べ物のことを「命薬(ぬちぐすい)」と呼ぶ。 1955年、那覇市に創業した老舗ホテル「沖縄第一ホテル」では、沖縄の旬の野菜をふんだんに取り入れた「朝食」が人気だ。沖縄の伝統食文化にこだわる創業者の島袋芳子さん(88)が考案した朝食コースは、実に50品目の食材がテーブルを彩る。長寿食といわれる沖縄の味を楽しみに全国からファンが訪れる。

ホテルの朝食はパンと卵、瓶詰めや缶詰のジュース、ベーコンやハムなどしか出てこないことに気が付いた島袋さんが、沖縄らしい独自のものを模索する中で、母親が作ってくれたシンジグスイ(薬膳)をヒントに料理を出してみると、お客さまが喜んでくれた。その姿をみて品数は徐々に増えていき、食材50品目、25品の献立が並ぶ朝食が完成した。

島袋さんが育ててきた朝食へのこだわりは、次女の渡辺克江さん(55)に受け継がれている。渡辺さんは、野菜ソムリエ・国際中医薬膳師資格を取得し、母が作り上げてきた 朝食を、更に充実させようと日々研究を続けている。お客さんへの『健康のおもてなし』を続ける母娘の想いと、その朝食50品目の全貌に迫る。

<取材先データ>
■沖縄第一ホテル
担当者: 渡辺克江さん
住所: 沖縄県那覇市牧志1-1-12 一銀通り沿い
電話: 098-867-3116 http://okinawadaiichihotel.ti-da.net/ ※「沖縄の島野菜をふんだんに使った朝食」 3,240円(税込)
前日までの完全予約制
≪朝食時間≫8時・9時・10時(入れ替え制) ※注意!:「沖縄第一ホテル」で検索すると、広告や一番上の【公式】などの表記で「東京第一ホテル」という名称がヒットしますが、ここは、今回紹介した沖縄第一ホテルとは別のホテルです。お間違えのないよう、ご注意ください。
■ファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ広場」
住所: 糸満市西崎町4-20
電話: 098-992-6510
営業時間: 午前9時~午後7時(ほぼ年中無休。正月3日間、旧盆1日休業)
地域特産品:ゴーヤー、ニンジン、アセロラ、パッションフルーツ、マンゴー http://www.ja-okinawa.or.jp/fm/

取材後記

はじめて担当させていただいた「世界一の九州が始まる!」取材の最初は、まず私自身が「50品目の島朝食」を食べることから始まりました。
ホテルの離れにある食堂に通されると、すでに10品くらいがテーブルに並んでいます。席に着くと、今回の主人公・渡辺さんが丁寧に献立や食材の説明をしてくれます。コースメニューではないので、はじめはどの皿に箸をつけるか迷いました。食べ進めていくうちに、空いたお皿と交換される形で次の献立がテーブルに並びます。食事にかかる時間は、締めの「40種類の薬草茶」が出てくるまで、だいたい3~40分かかります。師匠から「飯は早く食べろ」と言われて育ってきたテレビ屋ですので、食事時間は多くても10分以内(飲み会除く)。これほど1回の食事に時間をかけたのは、かなり久しぶりでした(たぶん中学校の給食以来)。

数人のお客様に撮影に応じて頂いたのですが、ほとんど「おひとりさま」の方でした。カップルや友人、ご家族でお見えになるお客様もいらっしゃるということですが、予約制なのと、やはりメニューが多いので、朝食の「時間」を楽しむというよりは「朝食そのもの」のために訪れる人が多いんだろうな、と感じました。

ちなみに、番組内では一切触れていませんが、渡辺さん、実はホテルを継ぐ前は、RBCでリポーターやキャスターをなさっていた方なんです(だから言葉が美しいんです)。実際に取材などもなさっていた方なので、取材する方としてはとても助かった!(涙) だって、こちらがどんなものを撮りたいかある程度理解していただけるので、結構な無理難題も聞き入れて頂き、インタビュー中も必要な情報を段取りよくコンパクトにまとめてお話し頂いたので、非常に編集しやすかったです(笑)。

最後に、この場をお借りして、ある方に感謝とお詫びの言葉を。
…琉球大学名誉教授の尚弘子先生、試食撮影の際、とてもタメになる栄養学のお話をたくさん聞かせて頂き、本当にありがとうございました。そして、その10分の1も放送に盛り込むことが出来なかったことを、ここに深くお詫び申し上げます。…

担当:RBC琉球放送 後藤政司

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