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ゲリラ豪雨に立ち向かえ!

大手が参入しないような市場で一点突破を目指す会社がある。
熊本県宇土市にある「日本FRP」だ。会社の名前にある通りFRPという繊維強化プラスチック素材の建築資材を主に扱ってきた。

転機となったのは1999年に福岡で起きた水害。このニュースをきっかけにして「FRP商品で人命を救いたい」と挑んだのが自動式防水扉の開発。
都市型災害といわれるゲリラ豪雨に対応する防災商品だ。
豪雨で押し寄せてきた水の力を浮力にして防水扉を立ち上げる日本初のシステムで、動力を使わず、24時間雨水の浸水に対応可能。
自動式防水扉は「寝ずの番」という商品名で販売を開始。
発売当初は全く注文がなかったが、現在は大手住宅メーカーなどが販売を手がけるようになった。

災害対策用品へ本格的にのりだした日本FRP。災害現場に役立つさまざまな商品開発に取り組んでいる。

<取材先データ>
会社名: 日本FRP株式会社
住 所: 熊本県宇土市花園町1736
TEL: 0964-22-5511(代)
FAX: 0964-26-1010
HP:http://www.nihonfrp.co.jp

取材後記

FRP、繊維強化プラスチック。
この取材をするまでは気にも止めたことがない素材だった。

しかし、取材を続けるうち「FRP」が多くの場所で使われていることを知った。
バイクや車のパーツ、遊園地の遊具、スキー板、ヘルメット、そして飛行機やロケットなどなど。
多くのものに利用され、使っているのに全く知らなかった。そして、那須さんはそのことを嘆いていた。
役立つ素材なのに知られていない、可能性が大きい素材なのに評価が得られない。それが残念、そこが悔しい。聞いているうちに「親心」のようなものを感じ、改めてFRPを見直すきっかけになった。

軽く、丈夫で、耐久性に優れたFRP。
今回は紹介しなかったが、FRPの「しなる」という欠点を「体にフィット」という利点に変えて椅子作りに取り組む人にも出会った。 FRPにはきっと、まだ知られていない可能性が多く潜んでいる気がする。
日本FRPが取り組んでいる災害対策用の「FRP橋」。
少しでも早く実用化し、災害現場で多くの人の命を救う姿を見たいと 切に願っている。

九州は、もう梅雨の季節だ。

担当:RKK熊本放送 久保田 泰代

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