宮崎県日向市で江戸時代から愛されてきた伝統柑橘「へべす」。“かぼす”や“すだち”などの仲間で、爽やかな香りとまろやかな酸味が特徴の名脇役。また、種の少なさそしてほとばしる果汁の多さが特徴である。しかし、わずか1ヶ月半ほどしか果実が流通せず、「幻の果実」とも呼ばれる。
そんな地元の特産品を生産するのは「ひむか農園」。実はここ、地元の建設業を営む内山建設の農業部門である。異業種が農業に参入したきっかけは、生産者の高齢化により、伝統柑橘「へべす」存続の危機に直面したことだ。内山雅仁社長(58)の“地元の伝統果実をなくしてはいけない”という熱い思いから、建設会社が異業種の農業部門を立ち上げたのだ。
「ひむか農園」が取り組むのは持続可能な農法。開拓をせず、休耕地を使用。また、建設業のノウハウを生かした土壌分析をし、土づくりにもこだわり、高品質な栽培を極める。その甲斐あってミシュランを獲得したシェフの目に留まり、少しづつユーザーを獲得してきている。
1ヶ月半という期間しか出回らない「へべす」は、ほぼ、宮崎県内でしか消費されておらず、まだまだ認知度が低い。そんな伝統柑橘「へべす」を大勢の人に知らしめるチャンスが訪れた。内山社長の熱き想い、そして奔走する姿に迫る。
<取材先データ>
(株)ひむか農園
担当者:内山 雅仁社長(58)
住所:宮崎県日向市大字富高93-1(内山建設)
電話:0982-52-5052
HP:https://himukahebesu.com/
インスタ:@himuka_farm
取材後記
宮崎県ではスーパーの店頭にへべすが並ぶと「秋の始まりだな・・・」と旬を教えてくれる尊い食材。いまだにびっくりするのは圧倒的な果汁の量! そういえば、世界一で「へべす」やったっけ?それが企画・取材のきっかけでした。
今回、取材のほとんどがへべす果樹園での撮影。ひとたび農園に入ると爽やかな香りが立ち込めていて、まさに自然のアロマの中での撮影でした。
「ひむか農園」は建設会社に農業部門を設け今年で7年。「5年目で少しづつ実り始めた時は、とにかくホッとしました」「へべすの成長は自分の子の成長を見ている様・・・」とおっしゃる内山社長。建設会社社長でありながら、へべすの事も熟知しいろんな場面で売り込むスーパー営業マン!
以前は社長の道楽と思われ、少しだけやりづらい時もあったそうですが今では海外にも販路を広げ、一流料理人の目にも止まり宮崎県以外にもへべすの認知度が高まりつつあります。石の上にも3年!内山社長の努力のたまものと思います。
へべすの実はお盆辺りから9月いっぱいですが、100%果汁・シロップ・卵かけ専用醤油・へべす胡椒とバラエティ豊かな加工品も生果におとらず大人気です。一へべすファンとしてこれからも動向を見守っていきます。
(MRT宮崎放送/下原口塔子)
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