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沖永良部島産 父と娘の島コーヒー

東さつきさん(44)は鹿児島県霧島市でコーヒー店を営んでいる。

提供する軽食の食材は全て県内産。しかし、肝心のコーヒーは県内産のものがなく、海外産の豆を挽いて出していた。故郷で栽培したコーヒーを客に出したい、とさつきさんの夢が生まれたのだった。コーヒーの栽培は、赤道をはさんで北緯・南緯25度以内の「コーヒーベルト」と呼ばれるエリアが最適とされている。さつきさんの故郷、沖永良部島は県本土から南へ約540キロの奄美群島にある。北緯27度。コーヒーベルトからは外れている。しかし、島で農業をしていた父・政次(まさつぐ)さん(84)が力になり、父と娘のコーヒー栽培の挑戦が始まった。8年前のことだ。サトウキビ畑が広がる島にわずか100本の苗が植えられた。しかし、台風でほとんどの木が枯れてしまうなど苦しい日々が続いた。親子で「島のコーヒーをつくる」という夢を力に、さつきさんは霧島と沖永良部を行き来した。政次さんと二人三脚の奮闘で、少しずつ豆が収穫できるようになっていった。しかし、政次さんは、病と闘っていた。末期のがんだった。
栽培に挑戦して8年目の今年、沖永良部島産のコーヒーを初めて販売できる見通しが立った。記念すべき販売日は6月18日。政次さんの誕生日だった。
コーヒーに情熱を注ぐ親子の姿を見つめる。
(制作 : MBC南日本放送 / ディレクター : 柳 佐知 )

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