PageTopButton

伝統の酒を守り、伝える

熊本伝統の酒・東肥赤酒は、正月のお屠蘇として、また冠婚葬祭やお神酒として熊本県民には欠かせないもの。もろみに「木灰」を入れる独特の製法は、古来の酒造りを今に伝える伝統の技でもある。しかし、今年4月に起きた熊本地震で製造元である酒造会社が大きな被害を受けた。酒づくりを行ってきた築100年を超える酒蔵で出荷を待つばかりの製品が破損したのはもちろん、建物のおよそ7割が被災。赤酒は製造停止に追い込まれた。実は、赤酒は調味料としても重宝されていて、「最強の秘密兵器」と表現する料理人もいるほど。全国の料理店や食品メーカーが使用しているため、製造停止の報を聞いた取引先から在庫への注文が殺到、一刻も早い製造場の復旧が必要となった。震度5程の余震が続く中、原料用の清酒やタンクの搬出、そして製造場の移転作業と、蔵人たちの懸命な作業が続く。しかし、そこに重要な問題が。倒壊しそうな酒蔵のいちばん奥に赤酒製造の最終段階で必要な8トンの圧搾機が閉じ込められたままだったのだ。
熊本の御国酒・赤酒の製造復活のため奮闘する酒蔵の人々と、それを廻りで支えた地元の人たちの生産再開までの日々を追った。
(制作:RKK熊本放送 / ディレクター:浅木 真由美 )

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう