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小さなムラの甘酒革命

「天孫降臨」で知られる宮崎県高千穂町。町の中心部から細い山道を車で30分走ると秋元集落が広がる。そこはまるで秘境。40戸100人がひっそりと暮らす限界集落だ。そんな小さな村から甘酒のお化けブランド「ちほまろ」が生まれた。
原料は、集落内の棚田で栽培した米。販売からわずか3年弱で売上は年間1億円に迫っている。発案者は佐伯勝彦さん(31)と絵里子さん(30)夫妻。「若い人たちが集落を離れていく。若者を雇用できる場所を集落に作りたい」親世代の嘆きと夢を聞いて育った絵里子さん。当初、目をつけたのはどぶろく。製造免許を取得し商品化した。
しかし、思うように売れない。根本的な問題もあった。勝彦さんは下戸。さすがに営業に限界があった。そこで発想を転換「甘酒なら子どもから大人まで誰もが飲める」。商品改善を重ね、販路開拓では集落の写真を見せ必死に売り、根気強い営業が次第に大手バイヤーの目に止まり、百貨店などの販路がつながっていった。その結果、現在契約する取引先は200を超えるほどに。
「ちほまろを売ることは秋元のよさを広めること」と絵里子さんは言う。小さな過疎地域から大きな世界に挑む、若き夫婦の大きな夢を描く。
(製作:MRT宮崎放送 / 中本奈緒)

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