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子どもに夢を!語り部は“ねんど人形”

大分県大分市に住む渡邊和己さん(59)の肩書は「ねんど人形写真作家」という一風変わったものだ。地域に伝わる民話や歴史上のキャラクターを樹脂粘土で立体化し、実際の伝承地を背景にした写真を撮影する活動をしている。渡邊さんは熊本の大学を卒業後、地元大分の印刷会社でカメラマンとして勤務。42歳で独立し拠点を神奈川へと移した。そこで幼少期から好きだった漫画や特撮から発想を得て、粘土人形と写真を組み合わせた独自の作風を完成させた。横浜港開港150周年記念の作品展で初めて出品した写真が注目され、島根や鳥取のイベントにも呼ばれるようになる。しかし、親友のプロレスラーが亡くなったことをきっかけに「いま自分ができることを故郷でやりたい」と大分に帰郷。大分市佐賀関で地域おこし協力隊として活動を始めた渡邊さん。地域に伝わる神話を粘土人形で表現した冊子を完成させた。今後の目標は「吉四六ばなし」やキリシタン大名の大友宗麟など大分に残る物語や人物の粘土人形と風景を撮影した写真集を作ること。自分の作品がきっかけで、夢を持つ子どもたちが増えて欲しいと願いながら、渡邊さんはきょうもシャッターを切る。
(製作:OBS大分放送 / 佐藤 康太)

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