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ホタテに負けない!吹上浜の新名産ツキヒガイ

日置市の漁師、佐々祐一(46)さんは、鹿児島県の日置市で獲れる「ツキヒガイ」のブランド化を行っている。ホタテガイと同じイタヤガイ科の仲間で、赤い殻が太陽、白い殻が月のような色をしていることから「月日貝」と言われている。産地以外で獲れることが少なく、希少な貝だ。
さらなるブランド化のために佐々さんは水族館へツキヒガイを持ち込んだ。長期的に生体調査を行い蓄養や養殖などの技術へ繋げようとする挑戦を追った。
薩摩半島の西、日置市で主に獲れるツキヒガイ。ホタテガイと同じイタヤガイ科の仲間で、赤い殻が太陽、白い殻が月のような色をしていることから「月日貝」と言われている。産地以外で獲れることが少なく、希少な貝だ。

そんなツキヒガイに魅了された佐々祐一さん(46)はIターンで漁師に、前職はなんと経営コンサルタント。数々の企業の経営に携わってきた経験をいかし、潮の流れや網を引く時間をデータ化し、ツキヒガイの漁を数値化してきた。

さらに、同世代の漁師仲間と共に、「吹上浜の未来を考える漁業者たち」という会を結成。ツキヒガイの美味しさ知ってもらいたいと、漁師自ら加工も行い、ふるさと納税やネット販売なども行っている。またオンラインイベントでは捌き方から食べ方なども発信。

しかし、まだまだ生態に謎が多いツキヒガイ。さらなるブランド化のために市場への安定供給が必須。蓄養や養殖などまだ確立されていない技術を身につけること。そこで佐々さんが向かったのは、いおワールド鹿児島水族館。ツキヒガイを持ち込み、展示を行いながら職員と共に、ツキヒガイの生体調査を行う。水族館でも初の試みだ。

管理された環境下でツキヒガイを育てていると、未来に繋がるあるヒントが判明した。転職漁師の挑戦に追った。
吹上浜の未来を考える漁業者たち
担当者:佐々祐一(さっさ・ゆういち)さん
問い合わせ:https://poke-m.com/producers/53169 ポケットマルシェ ツキヒガイ販売サイト

取材後記

漁師の佐々祐一さんとの出会いは去年11月。取材中も「寒くない?」「コーヒー飲む?」と常に取材班に気をかけてくれ、まず佐々さんの優しさに惹かれました。そして初めてツキヒガイを食べた時、貝柱のシャキシャキとした食感に強い甘味。ツキヒガイの魅力にも惹かれてしまいました。

これまで、地元の人たちしか知らなかったツキヒガイ。佐々さんは、いち早く目をつけ、元経営コンサルタントという経験を武器に、持ち前の明るさ、行動力でブランド化に尽力してきました。
海の上で漁をおこなっている時間よりも、打ち合わせや研究、加工品作り、イベントへの出店など、陸での作業時間が圧倒的に多い、これまでの漁師とは違うスタイル。

「自分がまず楽しまなきゃ長く続けられない。ツキヒガイを鹿児島の水産業の柱にしたい」と話す佐々さんの今後の動きから目が離せません。

(MBC南日本放送 / 白坂 俊樹)

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