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絶滅危惧種の逆襲 見よ!驚異の吸水力

淡水藻(たんすいそう)の一種・スイゼンジノリは、かつて将軍家へ献上されていた由緒ある伝統食材だが、現在は熊本県と福岡県の2ヶ所でわずかに養殖されており、絶滅危惧種となっている。

しかし、6年前このマイナーな伝統食材が秘める大きな可能性が明らかになった。熊本出身で北陸先端科学技術大学院大学(石川県)の博士研究員・岡島麻衣子さん(42)がスイゼンジノリから新素材「サクラン」を発見したのだ。「サクラン」は新規多糖類の一種で、ヒアルロン酸の10倍という脅威の吸水力を持っていた。

「サクラン」の可能性を感じたのが、岡島さんの実弟である金子慎一郎さん(38)。大手電機メーカーを辞め、自ら会社を立ち上げて「サクラン」の実用化に奔走。サクランの量産化を実現し、抜群の吸水力を生かした化粧品も販売している。
その後の研究で「サクラン」は、医薬品や工業分野でも活用法があるということが明らかになってきた。原材料であるスイゼンジノリの安定供給が不可欠であると考えた金子さんは、養殖技術を学び、伝統食材としての普及との両立を目指している。

伝統食材「スイゼンジノリ」は、新素材「サクラン」の発見により多くの分野から注目を集めている。絶滅のピンチからの逆襲が始まっている!

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