アサリの浄化パワーで干潟を救いたい。
そんな思いに駆られた技術開発者がいる。上天草市の藤芳義裕さん(60)だ。藤芳さんは熊本出身だが、北海道のサロマ湖の研究施設で、ホタテや二枚貝の養殖技術の開発に携わってきた。その技術の根本は、漁業収益を確保しつつ、自然環境へ負荷をかけない養殖法だ。
50歳を前に帰郷した藤芳さん。そこで見たのは、かつて全国一の生産量を誇った熊本産あさりが激減した干潟だった。そこで、「FUバイオカルチャー」という新会社をたちあげ、アサリの陸上養殖技術の開発に着手。もともと単価の安いあさりの養殖を成功させるためには、「低コスト」が大きなカギとなる。そして、ついに砂を使わないアサリの陸上養技術を産業として展開できるレベルを確立した。
さらにいま、取組もうとしているのが、アサリやシジミの浄化パワーを生かした水質環境の改善、そして、有明海の再生だ。いずれにせよ、自然の回復には、激減したあさりの個体数を増やすことが必須。
稚貝を人工的に大量育成することが鍵となるが、卵から孵化したあさりが自然界で生存率が高まるといわれるのが体長「0.4」ミリ。藤芳さんは、この「0.4」ミリの壁に挑む!
そんな思いに駆られた技術開発者がいる。上天草市の藤芳義裕さん(60)だ。藤芳さんは熊本出身だが、北海道のサロマ湖の研究施設で、ホタテや二枚貝の養殖技術の開発に携わってきた。その技術の根本は、漁業収益を確保しつつ、自然環境へ負荷をかけない養殖法だ。
50歳を前に帰郷した藤芳さん。そこで見たのは、かつて全国一の生産量を誇った熊本産あさりが激減した干潟だった。そこで、「FUバイオカルチャー」という新会社をたちあげ、アサリの陸上養殖技術の開発に着手。もともと単価の安いあさりの養殖を成功させるためには、「低コスト」が大きなカギとなる。そして、ついに砂を使わないアサリの陸上養技術を産業として展開できるレベルを確立した。
さらにいま、取組もうとしているのが、アサリやシジミの浄化パワーを生かした水質環境の改善、そして、有明海の再生だ。いずれにせよ、自然の回復には、激減したあさりの個体数を増やすことが必須。
稚貝を人工的に大量育成することが鍵となるが、卵から孵化したあさりが自然界で生存率が高まるといわれるのが体長「0.4」ミリ。藤芳さんは、この「0.4」ミリの壁に挑む!
FUバイオカルチャー
住所 〒869-3602 熊本県上天草市大矢野町上1608-8
TEL 090-5924-7080
FAX 0964-56-3245
住所 〒869-3602 熊本県上天草市大矢野町上1608-8
TEL 090-5924-7080
FAX 0964-56-3245
取材後記
「おれって、崖っぷち技術者なんですよ、資金も年齢も~」
藤芳義弘さんは、にやっと笑いながらこう言った。けれど、そんな自嘲気味のフレーズとはウラハラに、藤芳さんの頭の中は、あふれんばかりのアイデアでいっぱいだ。話しているとあっという間に数時間がたってしまう。不思議な魅力の持ち主だと感じた。
北海道のサロマ湖でホタテ養殖の技術開発に携わっていたころ、藤芳さんが漁業者のひとりに言われた言葉。
「お前の歩く前に道はないけど、後には道が残る、それで俺たち喰わせてもらうわー」
そんな言葉を励みに、がんばってきたのだそうだ。幼いころ、家庭があまり裕福ではなかったという藤芳さん。安く買うことができ、おいしいあさりは、成長を助けてくれたと話す。だから、養殖するのは、「大衆魚」であるべきではないかと考えているのだそうだ。
「産業として使えてこその技術研究」をモットーにしている藤芳さん失敗の数だけは人に負けないと粘り強い研究を続けている姿に感動を覚えた。
世界需要の高まりで水産資源が枯渇のおいしさに気づいてしまったいま、獲るだけの漁業というのは、もう成り立たない。まさに農業のように育てていくのが常識の時代に入ったのだと思う。3月から4月になれば、稚貝がまけるようになるかもしれない。今後、藤芳さんがどんな形で、有明海再生を実現していくのか取材をさせていただいたものとしても楽しみだ。
藤芳義弘さんは、にやっと笑いながらこう言った。けれど、そんな自嘲気味のフレーズとはウラハラに、藤芳さんの頭の中は、あふれんばかりのアイデアでいっぱいだ。話しているとあっという間に数時間がたってしまう。不思議な魅力の持ち主だと感じた。
北海道のサロマ湖でホタテ養殖の技術開発に携わっていたころ、藤芳さんが漁業者のひとりに言われた言葉。
「お前の歩く前に道はないけど、後には道が残る、それで俺たち喰わせてもらうわー」
そんな言葉を励みに、がんばってきたのだそうだ。幼いころ、家庭があまり裕福ではなかったという藤芳さん。安く買うことができ、おいしいあさりは、成長を助けてくれたと話す。だから、養殖するのは、「大衆魚」であるべきではないかと考えているのだそうだ。
「産業として使えてこその技術研究」をモットーにしている藤芳さん失敗の数だけは人に負けないと粘り強い研究を続けている姿に感動を覚えた。
世界需要の高まりで水産資源が枯渇のおいしさに気づいてしまったいま、獲るだけの漁業というのは、もう成り立たない。まさに農業のように育てていくのが常識の時代に入ったのだと思う。3月から4月になれば、稚貝がまけるようになるかもしれない。今後、藤芳さんがどんな形で、有明海再生を実現していくのか取材をさせていただいたものとしても楽しみだ。
担当 RKK 熊本放送 西川 亜也子
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