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セレブをうならせろ! 海を渡った“大分の竹細工”

大分県竹産業文化振興連合会が、現在3年計画で進めている竹工芸品海外販路開拓事業。これは、高級竹工芸品を専門に扱うアメリカの「タイギャラリー」で展開する製品を開発するというもの。県と連合会のメンバーで竹細工職人の大谷健一さん(48歳)が中心となり、初年度は「竹のジュエリー」を開発。世界で活躍するアートコンサルタントやジュエリーデザイナーと共同開発したことで、これまでとは違うアート性の高い製品に仕上がった。

現在、ペンダントやピアス、バッグなど7アイテムが2色展開で販売されており、世界各国で反響を呼んでいる。
別府市は、日本で唯一の竹工芸訓練校があり、後継者不足という問題はないが、職人の生活が経済的に厳しい状況は今も変わらない。若い職人の将来を見据え、今までにない斬新で高品質な製品を開発し、国内外で“大分の竹”をブランド化していきたいということがこの事業の大きな目的のひとつでもある。

竹工芸品海外販路開拓事業2年目の現在は、竹のテーブルセンターを制作中。「大分の竹を世界へ」別府の竹細工職人たちは、さらに意欲を燃やしている。
<取材先データ>
一般社団法人 大分県竹産業文化振興連合会
住所:〒874-0930 大分県別府市光町1番5号
電話:0977-22-4074
FAX:0977-22-4342

取材後記

今回、大分県別府市の伝統工芸品である「竹細工」をテーマに取り上げました。全国に工芸品の産地はたくさんありますが、その多くが今、後継者不足、生産額減少という問題を抱えています。別府市は、竹工芸職人を育てる県立の職業訓練校があるおかげで、技術の伝承が途絶える心配はありませんが、生産額については他の産地と同じく苦しい状況が続いています。

そんな中で始まった海外へ販路を拡大する事業を軸に取材を進めたのですが、開発した「竹のジュエリー」を初めて見たとき、これまで見てきた竹籠などの竹細工とあまりにもかけ離れていてとても驚きました。また、アクリルの中で、しっとりと濡れたようにも見える竹の網目が本当にキレイでした。

この竹ジュエリーが海外で評判になり、その情報が日本に入れば、また日本で竹が見直されるきっかけになると思います。日本古来の物や文化に触れる機会が少なくなり欧米化している現代でも、日本人は箸やお椀を使います。まだ竹製品が日々の生活用品に復活する可能性は充分あると思います。

今回の取材を通じて「大分の竹細工はやっぱりスゴイ!」と改めて感じました。大分県民として伝統工芸品「竹細工」を誇りに思います。
担当 OBS 大分放送 渕野 かおり

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