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大自然が育む“たまご”の秘密

ビジネス
アジアの経済大国シンガポールでは今、大分県産の“たまご”が富裕層向けの百貨店やレストランから注目を集めている。販売元は、大分県竹田市菅生で鶏卵や鶏肉、豚肉の生産から販売をおこなう藤野屋商店。国内では、大分や福岡のスーパーマーケットやレストラン、旅館、ホテルなどで卵が流通している。

藤野屋商店がシンガポールに向けた生卵の輸出を始めたのは2016年10月から。“トレたま”(6個1パック・約10ドル)は、現地の卵と比較すると高額だが、販売開始から1年ほどで出荷数を3倍以上に伸ばす。黄身と白身がこんもりとしていて、濃厚でまろやかな味わいが特徴。“平飼い”と呼ばれる養鶏法で育てられた鶏から生まれた卵のみを使用している。

平飼いとは、鶏を地面に放し飼いする養鶏法のこと。くじゅう連山の大自然に囲まれた場所には九州初となるシンガポール政府認定の農場ライセンスを取得した藤野屋商店の平飼い鶏舎があり、約3万羽の鶏が飼育されている。平飼いは、ケージ飼いと比べて飼育が難しい反面、鶏にストレスがかかりにくいのが特徴だ。また、鶏舎には半世紀以上にわたって藤野屋商店がつくりあげた病原菌の繁殖を防ぐ独自の技術が施されていた。
■取材先
会社名:有限会社 藤野屋商店
電話:0974‐65‐2321
住所:大分県竹田市菅生953
HP:http://www.fujinoyaweb.co.jp/
会社名:山のホテル 夢想園
電話:0977‐84‐2171
住所:大分県由布市湯布院町川南1243
HP:http://www.musouen.co.jp/ その他:※藤野屋商店の卵でつくる1日40個限定の自家製プリン(432円)はホテルの喫茶店で食べることができます↓

店舗名:展望喫茶BanBan
営業時間9:30~(オーダーストップ16:00)
定休日不定休

取材後記

シンガポールへ卵の輸出ができる農場ライセンスを持つ生産者は国内で5カ所のみ。そのうち、実際に輸出をする企業は3か所。取得するのはもちろんのこと、農場ライセンスを維持するのにも厳しい基準が課せられています。

鶏を放し飼いにする“平飼い”は昔ながらの養鶏法。ゲージ飼いより鶏の管理が難しいので、3万羽を平飼いする農場は国内でも数少ないそうです。およそ半世紀前に始まった藤野屋商店の“たまご事業”は平飼いからスタートしました。長年、平飼いを続けてきた藤野屋商店だからこそ大規模な施設で農場ライセンスの維持をしていくことができるのでしょう。

ストレスの無い鶏たちは警戒心があまり無く、取材スタッフに近寄ってきますので、とてもかわいらしかったです。
担当:OBS大分放送 渡邉太一

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