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奇跡の60秒パスタ

ビジネス
たっぷりのお湯を使い、茹で時間とにらめっこ。パスタを美味しく茹でるための常識をくつがえす麺が誕生した。フライパンに張ったコップ一杯のお湯で、茹で時間は60秒の「プレスタナポリ」だ。開発したのは長年中華麺を作ってきた鹿児島の老舗製麺店、㈱フクヤマ食品の2代目、福山照康さん(70)。

飲食店にとって調理時間短縮や、光熱費削減につながるスグレモノ。しかし、早さだけではない。取引先の多くが、味にこだわるパスタ専門店やホテルのレストラン。「早いだけ」では納得しない顧客を味で唸らせている。そしてもうひとつ大きな特徴がある。麺類の宿命とも言える「茹で伸び」に強いこと。麺は茹でて時間が経つと、デンプンが変化し「伸びた」状態になる。このデンプンの状態をコントロールするのが、福山さんがあみだした「プレスタ製法」だ。

福山さんは現在このプレスタ製法を、麺類や、炊飯、餅などその他のデンプン食品で応用する技術を研究中だ。デンプン食品の宿命をくつがえす製法の秘密に迫る。
■取材先
会社名:フクヤマ食品株式会社
電話:099-273-9306 (月~土 9:00~17:00)
FAX:099-273-9474
HP:http://www.fukuyamamen.com/

取材後記

鹿児島県民にとってフクヤマ食品といえば、ラーメンを食べる女の子のロゴマークでお馴染みです。この会社がパスタを作っていることは私自身も知りませんでした。

「60秒で茹で上がる」ということに注目が浴びがちなのですが、もともとは「究極の茹で加減」を目指して作ったものです。80年代の後半から構想が始まり、数えきれない失敗を重ねました。現在の製法を確立し、安定した生産ができるようになったのは2年ほど前。「パスタの常識を変える」と胸をはって話す福山さん、まずはパスタの本場イタリアへの輸出が目標だそう。福山さんの挑戦は始まったばかりです。
担当:MBC南日本放送 赤﨑 英記

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