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サメ食べよう~未利用魚のアップサイクル~

宮崎県門川町を中心に活動する「令和のサメ」代表・渡邊絵実さん(40)は、“海の厄介者”とされてきたサメを、新たな価値へと変えることに挑んでいる。


近年、定置網や底引き網などにサメがかかる被害が増加している。網の中で暴れて他の魚を傷つけるサメは、漁師を悩ませる存在だ。さらに「臭みがある」というイメージから市場で値がつかず、多くが「未利用魚」として水揚げされずにいた。


渡邊さんがこの課題に向き合うきっかけとなったのは、初めて「サメの刺身」を食べた時のこと。その想像を絶する美味しさに衝撃を受け、「こんなに美味しい魚が水揚げされない現状を変えたい」と立ち上がったのだ。

 

渡邊さんは、漁師から直接サメを買い取り、徹底した下処理を施すことで臭みの原因を抑え、絶品の「シャーク&チップス」としてよみがえらせた。海の厄介者を人気グルメへと昇華させる一方で、余った部位も犬用おやつとして商品化し、命を一切無駄にしない仕組みづくりにもつなげている。


水揚げされない「未利用魚」を、価値ある「資源」へ。単なるリサイクルにとどまらない“アップサイクル”で、日本の海からサメという未利用魚をなくすことに挑む渡邊さんの取り組みを追った。

<取材先データ> 

令和のサメ
代表 渡邊絵実さん(40歳)
宮崎県東臼杵郡門川町門川尾末8796-1
https://reiwanosame.stores.jp/
 

取材後記

ロケの朝、初めて「シャーク&チップス」でサメのお肉を食べました。魚嫌いの私でも驚くほど、魚特有の臭みがなく、あっさりとした上品な味でした。

 

「こんなに美味しいのに、どうして厄介者扱いされているのだろう」と気になり、12時間の漁船ロケに同行させてもらいました。実際のハモ漁の現場では、売り物にならないサメや大量のエイが網にかかり、そのまま海へ戻されていく現実を目の当たりにしました。

 

こうした未利用魚の問題に向き合っているのが、『令和のサメ』の渡邉さんです。港から自前の加工場へ急行して素早く下処理を行うことで、サメの臭みを抜いています。また、人が食べられない骨やヒレの部分も、試行錯誤を重ねて犬用のおやつとして商品化しました。

 

取材を通して、渡邉さんの「海と人、地域をつなぐ」という思いを感じました。キッチンカーで初めてサメを食べたお客さんが美味しさに驚いて笑顔になるなど、かつて厄介者とされていたサメが、今では子どもたちや犬たちを喜ばせる存在に変わっています。

 

いただいた命を無駄なく使い切る。門川町から始まったこのサメのアップサイクルの取り組みが、今後さらに多くの人に広まっていくのが楽しみです。また、渡邉さんが「いつか網にかかる大量のエイもなんとかしたい」とおっしゃっていたので、そちらの展開もとても楽しみにしています。


(MRT宮崎放送/和田宗一郎)

 

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