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料理を彩る魔法のたまご

熊本県の南端、水俣市の柑橘農家「Mr.Orange(ミスターオレンジ)」が“不思議なたまご”を開発した。柑橘農家なのに、柑橘を使わない。“不思議なたまご”は、イクラ(鮭の卵)ほどの大きさでプチっとした食感を持ち、無味無臭で透明。しかし、味のついた液体に漬け込むだけで、たまごに味付けができるという大きな特徴がある。例えば、醤油に漬けると黒く、抹茶に漬けると緑に色が変化し、味もそのものになる。

これは、膜状のゼリーの中に液体を閉じ込める特殊な技法「スフェリフィケーション」を応用・進化させたものだ。開発した永井香織(43)は、未経験者ながら家族と試行錯誤を続け、2年以上をかけてようやく販売にこぎつけた。「みずたまご」と名付けたこの商品は、料理の難しい技法を誰でも簡単に使うことができる。独創的な料理にも使えると地元の料理人からの評価も上々だ。そして、今年7月には東京で行われた地方の隠れた名品を選ぶコンテストに出場し、グランプリに選ばれた。

その2か月後、シンガポールでの大会では現地の料理人がみずたまごを題材に調理されることになった。果たして、海外での反応は?小さな柑橘農家の挑戦を取材した。
■取材先
会社名:株式会社 Mr.Orange
担当者:永井香織
住 所:熊本県水俣市月浦
電 話:0966‐62‐5404
HP:http://mr-orange.net/ その他:みずたまご 450g/2376円(税込)
※飲食店・外食産業向け

取材後記

今回取材をさせていただいた「Mr.Orange」は、ユニークな試みが盛りだくさんの柑橘農家でした。七面鳥農法を取り組む、安田昌一さん(父)は、とても研究熱心で、何かしていないと落ち着かない・・・ということで、販売している柑橘類以外にも、いろんなことに挑戦されています。そして、今回の主人公だった、永井香織さん(娘)は、経理職からの転職を機に、商品開発の世界に飛び込みました。

香織さんも、社長に負けず、研究熱心。「みずたまご」は、“誰でも味付けができる”ようにするため、開発に2年以上かかりました。途中、いろんな人から「無理だよ」と、言われ続けたそうです。しかし、「できる」という根拠のない確信があった香織さんは、諦めることなく、両親と3人で地道に試作を続けました。料理人にとっては、プルプルとした味付き球体は、そう簡単に作れるものではありません。香織さんたちは、料理人の立場にたった発想に変えることができたからこそ、大きな広がりになりました。みずたまごを目にした料理人は、誰もが驚き、どうすれば買えるのか、入手方法を聞いてくる人ばかりです。

これから先、いろんな料理の食材のひとつに選ばれることがもっと増えていってくれるといいな。外食先で、プチプチのカラフルたまごを見つけたら・・・それは「みずたまご」かも!
是非とも、一度ご賞味を♪
担当:RKK熊本放送 藤本 聖子

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