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地球を救うミラクルミート

世界の人口は2050年には100億人に達すると予測されている。そうなると、人口に対し食肉の生産が追い付かず、「タンパク質不足」に陥ることが危惧されている。そこで注目されているのが、動物の肉を使わない植物由来の代替肉だ。

熊本市のベンチャー企業「DAIZ」は大豆だけを原料とした植物肉「ミラクルミート」を開発した。研究開発部長の落合孝次(52)は30年ほど前から発芽大豆の研究を続けていて、発芽大豆と動物肉に含まれる成分が似ていることに着目した。

大豆を発芽させるための酸素や温度、水分などの生育条件を変えて異なるストレスを与えることで味が違う発芽大豆ができる。それらを複数組み合わせることで牛肉や豚肉、鶏肉など、それぞれの風味に近いミラクルミートを作り出している。更に成形は素材の密度や形を変えることで様々な食感も作ることができる。ミンチ状のものを使えばハンバーグになり、かたまりを揚げれば鶏といわれても分からない唐揚げなど、高いクオリティを実現している。4月には自社工場も完成し、大手食品メーカーで販売するための商品開発も進めている。地球を救うミラクルミートの開発を追う。
■取材先
会社名:DAIZ株式会社
住所:熊本市中央区南熊本5-1-1 テルウェル熊本ビル 7F
電話:096-363-8800
HP:https://www.daiz.inc/company/ その他:大豆を使った植物肉を開発・製造する会社で、一般向けに素材自体の販売はしていません。

取材後記

30年前から種の発芽の研究を続けてきた落合孝次さん。手に入る種は全部発芽させて有効成分の変化を調べ、美味しい食べ物ができないかということを模索し続けていました。
毎年、年賀状には干支にちなんだ豆のネタ・・・寅年にはトラマメ、酉年にはヒヨコマメの写真などを使ってご挨拶をしていたそうですが、11年前の丑年はネタに苦慮。
そこで思いついたのが「大豆を肉に置き換えたい」という抱負でした。

ただ当時の周囲の反応は薄く、期待もされていなかったそうです。
その後、食料危機や環境問題がクローズアップされ、植物肉にも注目が集まるようになり、落合さんは本格的に大豆肉の開発に取り組むようになりました。
来年の年賀状はミラクルミートがネタになるのか、気になります。
「大豆で作った肉」と分かっていても、鶏のモモや皮のからあげのような弾力のある食感、小籠包はひき肉の中から熱々の肉汁のようなものがあふれ出してきて、大豆の香りや味を探しても見つかりません。

まもなく、スーパーやコンビニなどに「ミラクルミート」を使った商品が並ぶ予定です。
多くの方にこの驚きを味わっていただきたいです。
担当:RKK熊本放送 内藤郁美

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