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ガラスの業師 ~頂点目指す町工場~

ビジネス
今年6月、ドイツで世界的なガラス製品の展示会が開かれた。ガラス製品といっても工芸品ではなく、医薬品や繊維を生み出すための大型の産業用製品だ。 世界中から企業や研究者が集まった展示会で、一際注目を集めた製品が200リットルのフラスコを備えた世界最大級の装置だ。

この大容量フラスコの装置を手掛けるのは、熊本県荒尾市にある「旭製作所」。 約70年前、小さな町工場からスタートした旭製作所は大容量フラスコを含む数々の「世界で唯一」の製品を生み出してきた。その「世界で唯一」を生み出す根底にあるのは技術力の高さだ。ほとんどの工程は手作業で進められる、まさに職人の世界。 高温になったガラス加工の勝負は一瞬。 失敗すれば、それまでの作業が無駄になる緊張の瞬間だ。 旭製作所は創業者の「仕事は断らない」というモットーから数々の難しい仕事も、壁を乗り越え実現させてきた。

その壁を乗り越える過程で、モノ作りの力を高めてきたという。 高い技術力を持つ「ガラスの業師」を擁する旭製作所だけの、ガラス加工の現場に密着した。

※2018年11月18日に放送された番組の再放送です。
■取材先
会社名:株式会社 旭製作所
担当者:中西聡和(なかにし としかず:経営企画推進室 室長)
住所:熊本県荒尾市高浜1978
電話:0968-68-2121
HP:http://theglassplant.com/index.html

取材後記

「産業用理化学ガラス」 「ガラスプラント」 「ロータリーエバポレーター」… 聞き馴染みがない言葉の数々。今回、取材した旭製作所を紹介する上でのキーワードです。 旭製作所は、メーカーや研究施設が使うガラス製の実験装置などを手掛ける企業で、その装置からは、今や冬の必需品、ヒートテックの材料や、スマートフォンやテレビの有機ELディスプレーの材料などが作られます。聞き馴染みがなかった物から身近な物が生み出されているのです。

今回取材した旭製作所も、旭製作所の製品を使っている試薬会社も、バリバリの理系の現場。 「数式」より「雰囲気」で生きてきた私にとっては、理解するのに時間がかかる題材でした。ただ、私でも理解できたということは、番組をご覧の皆さんにもご理解いただけるのではないか。

そう前向きに捉え、わかりやすい編集や言葉のチョイスを心掛けました。 そんな私も、製造の現場で大きな火が上がると、純粋に「すげー!」と心が躍りました。 その「すげー!」を番組にしたつもりです。  ちなみに、旭製作所のモットーは…理系ではなく、バリバリの体育会系でした。詳しくは番組で。

担当:RKK熊本放送 青谷倫太郎

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