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勝色に世界を染める!インディゴメタル

大分県佐伯市の精密板金加工会社「長尾製作所」。
伝統の藍染の技法を用いて開発したのは、アルミニウムを藍色に染めた新素材だ。
プロジェクトが始まったきっかけは、「金属を藍で染めたらキレイなのではないか」という女性社員の一言だった。これまで一般的には不可能と言われてきた技術だが、長尾浩司社長(67)は失敗を恐れずに挑戦を続けた。約3年かけて新素材「インディゴメタル」を完成。失敗は多かったが、苦労よりも希望が大きかったという。

展示会などで積極的に新素材をアピールすると、感性に訴えるような魅力があるとデザイナーや大手企業の目に留まった。藍で染まった軸を使う万年筆は1本55,000円(税込)。高価ながら国内外から1年半で約1千本の注文を受けるまでになった。
今後は、化学染料が世の中のほとんどを占めている中で、藍だけでなく廃れゆく天然素材の染料(草木染)に注目し、染色文化を発展させる手助けをしたいと意気込んでいる。

異業種とコラボして新素材に付加価値を与える工夫を続けている長尾社長。次の世代に自身のチャレンジ精神を引き継いでいきながら、生み出した技術が世界中で愛されるよう取り組む姿を追う。
■取材先
会社名:株式会社長尾製作所
担当者:長尾浩司社長
住所:〒876-1512 大分県佐伯市堅田2134-24
電話:0972-25-1200
HP:http://www.nagaoss.co.jp/

取材後記

日本伝統の藍染は、一般的には布などの天然素材しか染まらないといわれていますが、その常識を覆したのが大分県・佐伯市にある長尾製作所のインディゴメタルでした。
藍色に輝く金属と、合成染料には出せない色の深みや色あいの違いを見たときに、日本を代表する新素材になると感じました。
天然素材にこだわっている長尾製作所は、藍染に続いて草木染の素材を開発中。日本の勝色とも呼ばれる藍色に染まった金属で作られた商品を、国内に限らず海外の方にも手に取ってほしいです。
今後も長尾社長の新たな挑戦から目が離せません。
担当:OBS大分放送 萩本 みなみ

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