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何でも曲げます!金属加工のエキスパート

九州でも数少ない金属曲げ加工専門の「有限会社中村設備工業」。創業者の娘である田口由香里さん(58)が3代目の社長に就任してから、金属の曲げ加工に特化した。

プラント向けや造船、建築用鋼材の曲げ加工を主に手掛けており、1ミリから50ミリ程度までの厚さの鋼材を、形状に応じて専用の機械で曲げていく。高い技術力と正確な製品作りが認められ、今では取引先から「曲げは中村へ」と言われるほどに成長。
テーマパークの乗り物のレール、アーケードのアーチなど身近なところでも製品が利用されている。

田口社長は「製品をもっと身近に、より多くの人に触れてほしい」という思いから2021年、異業種であるベーカリーをオープンした。カーブを描くステンレス製のカウンターや照明、テーブルなど、自社で手掛けたアイテムを多数配置。これまで培ってきた技が随所で光っている。今後、企業向けの製品加工だけではなく、個人向けの製品作りや空間演出など田口社長の構想は広がる。

「明るい気持ちで取り組むことこそが、良い製品を生み出す条件」だと語る田口社長。女性経営者としてのこだわり、そして金属曲げ加工のエキスパートとして成長する企業の可能性を追う。
取材先:有限会社 中村設備工業
住所:大分県大分市原川1丁目1番16号
担当者:中村由香里 代表取締役
電話:097-551-3218
HP:https://nakamurasetubi.co.jp/

取材後記

金属を曲げることは容易いことではありません。薄い金属は一見、手で曲げられるのではないかと力を加えてみても、びくともしません。
それらは、機械をこまかく操作してトン単位の力を加えていき、きれいに曲げられるのです。どのくらいの力を、どこまで加えるかは長年の経験が必要となってきます。さらに、集中力や忍耐力も必要となる職場です。

そうした環境で、明るく従業員らの活気があふれているのは、社長の田口さんの人間性がにじみ出ているからだと思います。
明るく笑顔で声をかける姿は「従業員は宝」という田口さんのモットーを表していると感じました。

ベーカリー事業をはじめ、今後の展開が楽しみな中村設備工業。今後、街中で見かける“曲げ”に注目してみたいと思います。

(OBS大分放送 / 田中智基)

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