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破れない!? 型破り和紙

ビジネス
和紙の中に閉じ込められたようなTシャツや鉛筆。その独創的なデザインで注目を集める職人がいる。佐賀市にある名尾手すき和紙7代目、谷口弦さん(30)だ。

佐賀市名尾地区に手すき和紙の技術が伝わったのは約300年前。この地区に自生する「梶の木」は全国的にも珍しく、今も紙の原料として栽培されている。一般的な和紙の原料は楮(こうぞ)だが、梶の木を使った名尾和紙は、繊維が長く、複雑に絡みあっているため丈夫なのが特徴だ。そのため強度が要求される博多祇園山笠の提灯にも使われている。

しかし、和紙の需要減少に伴って、一時はこの地区に100軒以上あった和紙工房も年々姿を消し、今は名尾手すき和紙の1軒だけに。新たな和紙の可能性を模索し続ける谷口さん親子は、薄く丈夫な特徴を生かし、長い繊維に様々なものを漉き込む技法を開発。そして、伝統工芸の「型を破る作品」へと昇華させた。

谷口弦さんの父、祐次郎さん(55)が後を継いだ30年前には、和紙に色を付けることすら邪道と言われたが、「邪道も100年続けば王道になる」という信念を貫き、革新的な和紙を生み出し続けてきた。
その精神は息子の弦さんへと受け継がれている。世界が注目する「型破りな和紙」を生み出す職人に迫る。

■取材先
会社名:名尾手すき和紙株式会社
代表者:谷口祐次郎
住所:〒840-0205 佐賀県佐賀市大和町大字名尾4756
電話:0952-63-0334
HP:https://naowashi.com/
和紙の中に閉じ込められたようなTシャツや鉛筆。その独創的なデザインで注目を集める職人がいる。佐賀市にある名尾手すき和紙7代目、谷口弦さん(30)だ。

佐賀市名尾地区に手すき和紙の技術が伝わったのは約300年前。この地区に自生する「梶の木」は全国的にも珍しく、今も紙の原料として栽培されている。一般的な和紙の原料は楮(こうぞ)だが、梶の木を使った名尾和紙は、繊維が長く、複雑に絡みあっているため丈夫なのが特徴だ。そのため強度が要求される博多祇園山笠の提灯にも使われている。

しかし、和紙の需要減少に伴って、一時はこの地区に100軒以上あった和紙工房も年々姿を消し、今は名尾手すき和紙の1軒だけに。新たな和紙の可能性を模索し続ける谷口さん親子は、薄く丈夫な特徴を生かし、長い繊維に様々なものを漉き込む技法を開発。そして、伝統工芸の「型を破る作品」へと昇華させた。

谷口弦さんの父、祐次郎さん(55)が後を継いだ30年前には、和紙に色を付けることすら邪道と言われたが、「邪道も100年続けば王道になる」という信念を貫き、革新的な和紙を生み出し続けてきた。
その精神は息子の弦さんへと受け継がれている。世界が注目する「型破りな和紙」を生み出す職人に迫る。

■取材先
会社名:名尾手すき和紙株式会社
代表者:谷口祐次郎
住所:〒840-0205 佐賀県佐賀市大和町大字名尾4756
電話:0952-63-0334
HP:https://naowashi.com/

取材後記

取材後記

今回の撮影を通じ感じたのは日本伝統工芸の美しさです。和紙製造過程の取材で出会った原料梶の木の皮剥ぎの音、手すきの心地よい水の音、乾燥作業の蒸気の熱気、工房にあふれる梶の木の独特な匂いをどうしたら映像で伝えられるか悩みました。

和紙の需要減少によって生き残るのが大変な現代。7代目谷口弦さんの新たな試みで生まれた和紙や6代目である父、祐次郎さんの「邪道も100年続けば伝統になる」という言葉には伝統を守るだけではなく、伝統をアップデートしなければいけないという意志を感じました。

今、名尾和紙の魅力は多くの人に気付かれ、現代にも再び浸透してきています。
取材したディレクターも茶葉マスクを愛用し、自室の壁に草木染の和紙を貼るなど、すっかり名尾和紙ファンになってしまいました。

伝統工芸だから守らなければいけないのではなく、良いものだから300年続いてきた名尾手すき和紙に今後も注目していきたいと思います。

担当:RKB毎日放送 金子壮太

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