PageTopButton

琵琶修復師はイタリアーノ

九州でただ 1 人の「琵琶修復師」イタリア人のドリアーノ・スリスさん(68)はイタリアで出会った 日本人のパートナーとともに今から 41 年前、27 歳の時に来日。

ある日、ラジオから聞こえてきた「琵琶」の音色に衝撃を受けた。 「この洋楽器でも和楽器でもない 何とも言えない音を奏でる楽器はなんだ」と興味を持ち 当時九州でただ 1 人の「琵琶修復師」だった吉塚元三郎さんの元を訪ね弟子入りを果たす。 修行期間を経て「琵琶修復師」となった彼は、イタリア語の語学学校 「イタリア会館福岡」(福岡市中央区今泉)でイタリア語を教える傍ら、日本全国から届く「修復」依頼を受け自宅兼工房で作業する日々。

「琵琶」は「ギター」や「チェロ」 などと違い、部品を組み立てて行くものではなく、一つの木の塊を彫って形成していくため、全て形が違う。 「修復」には同じ種類の同じ時代に生きた木を20年間寝かせたものを使い当時の職人が施した技を再現する。

「新しい木材を修復に使うと琵琶が死んでしまう。
修理ではなく、修復」と ドリアーノさんは言う。
ペルシャから大陸を経て日本に伝わった「琵琶」。
ドリアーノさんの人生を大きく変えた 「琵琶修復」の極意に迫る。
<取材先データ>
会社名:イタリア会館・福岡
住所:福岡市中央区今泉 1-18-25
電話番号:092-761-8570
HP:http://italiakaikan.com その他:イタリア語教室、イタリア雑貨販売の他、イタリア文化を伝える様々なイベントを開催中

取材後記

ドリアーノ・スリスさんとの出会いは20年前に遡るプライベートでイタリアを訪問する機会があり、
イタリア語を学ぼうとイタリア会館福岡の門戸を叩いた。

軽妙なトークとなんとも言えない親しみやすさに一瞬にしてドリアーノさんのファンになったのを記憶している。
去年、縁あって、娘の茅さんと知り合い再び訪れたイタリア会館福岡は福岡市の新スポット「季離宮」の中核として存在感を放ち
イタリアと九州の架け橋のたもととなっていた。
交流を重ねドリアーノさんが琵琶修復師であることがわかり「取材をさせていただけませんか?」とお願いをした。
今回の取材で得に印象的だったシーンは< ドリアーノさんの自宅での奥様との会話
「外国人だから日本の文化をわかるわけないと言われた事もある」
「でも、今は、修復を続け結構楽しく日本で生活しているからいい」
文化は国境を越えるそして、その国の風土がエッセンスとなり新たな文化として根ざしていく。

シルクロードを渡って日本に伝来した琵琶、イタリアから来日し琵琶を守りたいと修復師となったドリアーノさんに必然性を感じてやまない。
最後になりましたが、熊本の島田美術館にドリアーノさんが修復を手がけた琵琶があると聞き急遽取材を申請。
急な申出にも関わらず快く引き受けてくださいました事。心より感謝を申し上げます。
40年に一度の大雪の日の熊本ロケ一生忘れません。
担当:RKB毎日放送 三井 真由美

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう

radiko 防災ムービー「いつでも、どこでも、安心を手のひらに。」
radiko 防災ムービー「あなたのスマホを、防災ラジオに。」