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かぐや姫は楽器?竹取物語

日本有数の竹林面積(1,400ha)を誇る福岡県北九州市小倉南区の合馬(おうま)地区で採れるタケノコはアクが少なく、風味豊かでやわらかい。新鮮なものは刺身(生)でも食べられる。特に「白子」と呼ばれるタケノコは最高級品だ。]
一方、竹害(ちくがい)は余り知られていない。かつてタケノコを採るために栽培されていた孟宗竹の竹林が放置され、周囲に竹が無秩序に侵入する現象だ。アカマツやクヌギなどの樹が置換され、生態系が単純化してしまう。竹は土壌保持力が低く崖崩れが起きやすくなることが、現在問題視されている。

北九州市の建築デザイナーの田中昇三さん(63)は、合馬の竹林の整備ボランティアに参加するうちに竹害があるからといって切って焼却していくだけではもったいないと考えた。ログハウスやスピーカーなども作ってきたが、数年前に思い立った楽器への竹の活用が大きなムーヴメントに育ってきた。バイオリンやチェロ、ギターといった弦楽器で竹を再活用するのだ。講習会を開いて、竹から弦楽器を作る楽しさを教え、竹楽団として様々な場所に依頼されて演奏活動も行っている。竹の廃材から生き生きとした音色が響き渡る!
取材先
担当者:田中省三さん
電話:090-3604-2313

取材後記

竹楽器のバイオリンやチェロ、ギターの音色には独特の懐かしさを感じるのが不思議でした。もちろん本当のバイオリンの音色に限りなく近いのですが、中国の胡弓の音色や尺八のかすれた音色もどこかに含まれている感じがしました。何より誰でも製作できる手軽さと作ってみたら音楽初心者でも弾きたくなるという魅力に惹かれました。一方で「竹害」というものが深刻な問題となっていることも知り、竹の持つ深い世界をさらに探っていきたいと思いました。

担当:RKB毎日放送 山田尚

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