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厄介者は農家の味方!宮崎発 “笹サイレージ”

パンダの大好物「笹」。その「笹」を使った飼料「笹サイレージ」が宮崎の農畜産関係者の注目を集めている。「笹サイレージ」は竹笹をまるごと砕き、蜜と水を混ぜ合わせ作られた畜産用飼料で、全国有数の畜産のまち宮崎県都城市の「大和フロンティア」で製造している。牛・豚に笹サイレージを与えると従来の飼料に比べ旨味成分や肉質が向上すると大評判だ。

「困っている人を助けたい」がモットーの社長・田中浩一郎さん。畜産農家が飼料の価格高騰に悩んでいる姿を間近で見て「安くて栄養豊富な飼料を提供したい」と笹サイレージの量産化に取り組んだ。笹サイレージの原料は、近年問題となっている「放置竹林」の竹笹だ。所有者の高齢化が原因で手入れが行き届かなくなり全国的に放置竹林は増加。放置竹林が増えると地盤がゆるくなり、土砂崩れが発生しやすくなるなどの問題を抱える。

宮崎県の竹林面積は全国8位。現在も増加中で、深刻な問題となっているのだ。「笹サイレージ」はそんな放置竹林を伐採した竹笹を原料としているため従来の飼料より安価。もちろん、放置竹林整備も進むため、厄介者の竹笹は農家の救世主となっているのだ。宮崎の基幹産業を下支えする「笹サイレージ」。その可能性に迫る。
■取材先
会社名:(株)大和フロンティア
担当者:田中 浩一郎 代表
住所:宮崎県都城市上長飯町2416-5
電話:0986-21-0135

取材後記

「笹サイレージ」を初めて知ったのは2年前に見た新聞。
サイレージって何だ?の疑問からスタートしました。材料となる竹笹は放置竹林を整備したものを使用した完全リサイクル。
飼料では肉のうまみアップそして肥料では作物の根の張りがよくなり実のつきがよくなるなど栄養面で驚異のパワーを発揮する。
消臭効果もあり、取材で伺った豚舎・牛舎はほぼ臭いを感じないのにはびっくりでした。

田中社長に「笹サイレージを作ったきっかけ」を伺ったところ、「パンダが笹であれだけ丸々しているから栄養価は高いんだろう。
だから餌にしたらいいじゃないかな?がきっかけ!」という言葉には笑いました。

肉に野菜がとにかく美味しい宮崎県。
それらを下支えする飼料・肥料「笹サイレージ」
これから全国へと広がりをみせるでしょう。
担当:MRT宮崎放送 下原口 塔子

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