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日本の味 だしのチカラ

ビジネス
味噌汁を飲むと、心が安らぐあの感覚。だしのチカラは偉大だ。このだしに情熱をかける企業が長崎県にある。中嶋屋本店は創業71年、削り節の製造や、煮干しをはじめ県内の海産物を販売している。2代目社長の中嶋恒治さん(69)は、自ら原料の仕入れに行き、無添加にこだわって日本の味を守り続けている。

創業当初は、店舗奥の調理室で削り節を製造していた小さな店だったが、削り節はもちろん、煮干しの生産県日本一の長崎県で営業しているメリットを活かしたいと鯵、鯖、鰯などの良質な原料を選別し加工できる自社工場を構えた。そのかいあって、大口取引先からのオーダーも増え、全国の有名店でも注目されている。だしパック、ふりかけ…様々な商品に加工して県外へ。漁業者からの期待も厚い。近年、「だしだけでも飲める」味付きだしのブームで、忙しい主婦や若い世代もだしに関心が高まっている。

中嶋社長もその味付きだしパックの新商品を現在開発中。他社と同じように塩を加えてはオリジナリティに欠けるため、自然な素材だけで旨みを与え、味を濃くする方法を模索、たどり着いたのは魚醤!?だし屋ならではの原料で味のついただし作りに挑戦している。

※2019年12月8日に放送された番組の再放送です。
■取材先
会社名:中嶋屋本店(なかしまやほんてん)
担当者:中嶋恒治(なかしまこうじ 代表取締役)
住所:長崎市築町4-2
電話:095-821-6310(受付 9:00~17:00 日祝休)
HP:https://www.nakasima-inc.com/ その他:だしパック「うまかだし」:混合(10袋入)500円、
焼きあご(7袋入)780円、かつお(10袋入)730円、
いりこ(10袋入)380円(すべて税抜)。
開発中の味付きだしは、来年夏以降販売予定で研究を進めている。

取材後記

長崎の乾物屋といったら中嶋屋本店!というくらい地元ではおなじみです。創業71年。「煮干しを買うなら昔からここよ」というマダムや、「家で削るの」とカツオを節の状態で購入していく主婦…取材する中で、お客さんたちが寄せる信頼度が伝わりました。

現在も開発中の味付きだし用の調味液、原料は秘密ですが、魚醤のように発酵させてつくるそう。魚醤と聞くと「生臭さは?」と気になりますが、生臭い香りも味も全く感じませんでした。不思議です。「生の魚を使うんじゃないんだよ、だから生臭さはない」と中嶋社長…ますます原料が気になったのでした。

「人は、食べたものでできている」原料を自分の目で見て選ぶこと、店舗に自然の恵みから作った商品を並べること、開発中の味付きだしも添加物を使わずに作ること、社長のこだわりの根幹にはこの思いが常にあると思います。味付きだしパックの製品化は来年夏以降の予定とのこと。楽しみでなりません!

担当:NBC長崎放送 井手春菜

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