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奇跡のコラボ!桜島の灰でおいしい魚に

JR鹿児島中央駅の売店で、販売を開始した当初から売り上げ1位を記録し続ける大人気のお弁当がある。「桜島灰干し弁当」だ。

この弁当は、鹿児島の漁師さんからの相談で生まれた。「売れない魚は、港にあげても箱代と氷代で赤字になるから海に捨てるんだ」と。
値段がつかない魚や厄介者の魚と鹿児島ならではの火山灰をコラボさせて、鹿児島の新しい名物を作ろうと開発したのが、「桜島灰干し」。

灰干しには、桜島の灰を使用する。よく水洗いしたあと約10日間天日干し、さらにオーブンで焼き上げ、完全に加熱消毒させた灰を使用する。
そして、魚を灰干しすることで、魚の臭みの原因でもある水分をじっくり吸収し、熟成。魚本来の旨味をそのまま凝縮する。

この製法を開発したのが、食育日本料理家・梛木春幸さん(51)。梛木さんは、京都の老舗料亭などで修業を重ねその後、ホテルや割烹料理店で総料理長などを務めた。最近では、アサリを食べたり、仕掛けた漁網を破ったりして漁業関係者を悩ましている厄介者である“エイ”を「灰干し」の技術を使い、食用にしている。

山と海の厄介者を有効活用し、おいしいモノを生み出す料理人の挑戦を追う。
取材先:樹楽
担当者:梛木春幸さん
住所:姶良市加治木町木田2344-4
電話:0995-73-3812
FAX:0995-73-3813

取材後記

姶良市加治木町にある樹楽。「桜島灰干し弁当」を製造している会社です。桜島灰干し弁当は鹿児島中央駅で87か月売り上げ1位を記録したお弁当ですが、その他にも鹿児島空港、地元のデパート、物産館、スーパーなどでも販売されており人気のお弁当です。

一般のお弁当と違うのは「桜島灰干し」というユニークな製法で作られていることです。番組では、魚を紹介しましたが、牛肉、豚肉、鶏肉なんでも使用できるそうです。
桜島灰干しは臭みをとり熟成させる製法ですが鹿児島ならでは、桜島の恵みによって生まれたんだなと改めて取材してみて感じました。

「桜島灰干し」を開発した食育日本料理家の梛木春幸さん。「桜島灰干し弁当」を作るかたわら「食育」をテーマに全国で年間100以上の講演活動や新商品開発のプロデュースなど多岐にわたって活動している方です。

現在特に力を入れているのが「日本の食べる知恵と食文化」を後世に伝えようと「食育日本食文化伝承協会」を立ち上げたそうです。改めてこれだけいろんな活動をしている方のアイディアで「桜島灰干し」はうまれたのだと感じました。

(MBC南日本放送/地福正己)

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