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文化のバトン コーヒーと音楽が香る町

日本を代表するオーケストラ・日本フィルハーモニー交響楽団の大牟田会場でのコンサートが2月に開催された。
クラシックファンは勿論、ある高齢女性に会うために遠方からも多くの客が訪れた。

上野由幾恵さん82歳。今から32年前、日本フィル大牟田事務局長としてオーケストラを招聘し続けた「音楽プロモーター」として町では有名人なのだ。

戦時中に生まれ、満州から引き揚げてきた上野さんは、結婚と同時にコーヒーサロンを開店。大牟田市が石炭景気に沸いていた時代だった。
店内にはクラシック音楽が流れミニコンサートも開催される、そんな上野さんの音楽好きを見込まれ、日本フィルから白羽の矢が立ったのだ。

しかし3年前、高齢のため惜しまれつつ閉店。コーヒーの味を引き継ぐことを申し出た、30代の冨山博史さんに「コーヒーサロンを閉めることより、日本フィルを辞めることが辛い」と語り、その意を汲み取った冨山さんは、日本フィルも引き継ぐことを決意する。

「文化に壁はない」と語り、春には「大牟田大水害復興コンサート」のアドバイザーとして若いスタッフに囲まれる上野さんのバイタリティーとその原点とは?

(製作:RKB毎日放送/石川 恵子)

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