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困りごと“ばね”で解決してみせます

自動車や文具、建築用など約1万種類の「ばね」を製造している「中央発条工業」(大分県日田市)。
1台あたり4,000個使うという自動車用のばねの製造が大半を占め、長年培ってきた技術力で、大手メーカーはじめ現在250社ほどと取引している。

3代目社長・竹内康晃さん(60)が大切にしていること、それは「世の中の困りごとを解決すること」。
顧客の困りごとを解決するため、ばねの新たな使い道を模索する。
中でも同社の特許技術である脱落防止装置は、ボルトにばねを取り付けることでナットの緩みを防ぎ、脱落を防止する。

この技術は鉄道や高速道路などのインフラをはじめ、テーマパークなど全国各地で採用されていて、ナットの緩みが原因とされる事故の防止に貢献している。
また、海苔の養殖業者の困りごとにも耳を傾け、ばねを使った新たな製品も生み出した。さらに近年、タイの自動車部品メーカーに技術提供を行うなど、竹内社長の挑戦は止まらない。

私たちの暮らしに欠かすことのできないばねを製造する会社の技術力、そして常に顧客の困りごとに寄り添い、社会に貢献しようとする竹内社長を追う。
会社名:中央発条工業 株式会社
代表者:竹内康晃
住所:大分県日田市新治町503番地
電話:0973-22-1112
HP:https://www.chksp.co.jp/

取材後記

普段の生活の中で、ばねの存在やありがたみを感じることはほとんどないのではないでしょうか。
しかし、取材を通じてばねが「洗濯ばさみから飛行機まで」と言われるほど、実は私たちの暮らしを支えていることを実感しました。

ばねを製造する工程を初めて見たとき「ばねはこうやってつくられているんだ!」という驚きとともに、なぜかワクワクしてしまい、我を忘れて見入ってしまいました。

父親から会社を引き継いだ竹内康晃社長。「お客様の困りごとを解決する」ことがポリシーです。
ボルトの脱落防止装置「ハイパーロードスプリング」や「捨てんトンボ」は、まさに取引先の声から生まれた製品。竹内さんが「困りごと解決」にこだわる理由は、かつて自動車メーカーに勤めていたときに多くの苦労を経験したから。相手の立場、相手の気持ちが分かるからこそ、困りごと解決に向け力を尽くしています。

今後は、漁業や農業などの一次産業、また医療分野への参入など、困りごと解決へ向けて動き出しています。近い将来、思いもしなかった場所で、ばねを見る日が来るかもしれません。
もしかしたら、あなたの困りごともばねで解決できるかも!?

(OBS大分放送 / 田中智基)

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