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オペの新常識へ 大学生起業家 3Dボーンズ!

1人の大学生が、世界の整形外科手術に“新風”を巻き起こすかもしれないアイテムを生み出した!
それは3Dプリンタで作る骨の模型「3D Bones(ボーンズ)」。どこを削るか?穴をあけるか?器具を入れるか?手術前のシミュレーション時にこの3D骨模型で試してみることで、手術をより安全に、正確に、短時間に行うことにつながる。

…というのも、今の術前計画のほとんどが、レントゲン写真を切り貼りした「2次元」で行われている。ハサミで切り、テープで止めた「紙きれの骨」の上に、削る箇所や器具の位置を書き込んで行うシミュレーションには、たとえベテラン医師でも限界があるのだ。

3Dボーンズを開発したのは、長崎県立大学情報セキュリティ学科3年の鬼塚俊佑さん(23)。整形外科医である父親が「喉から手が出るほど欲しい」と思っていたものを、得意のパソコンを駆使してさらりと作り上げた。さらにより多くの医師達に届けるためにビジネスプランを作成。その起業計画は、九州のビジネスプランコンテストでグランプリを獲得している。

コロナ禍の大学生が生み出した3Dボーンズ。一発勝負の外科オペのリスクを、大幅に軽減するかもしれない大注目のアイテムに迫る。

取材先:長崎県立大学・シーボルト校
住所:〒851-2195 長崎県西彼杵郡長与町まなび野1-1-1
電話:095-813-5500
FAX:095-813-5220
長崎市スタートアップ支援事業『コッコデショ!』ホームページ:https://www.nagasaki-startup.com/  2023年度も実施へ

取材後記

整形外科医の父親とその息子だからなしえている、大げさに言えば『奇跡』だと思った。
手術の前の術前計画の際に使う「骨の3D模型」。実は医療器具メーカーが既に市販しているが、高額なうえ見積もり等にも時間と手間がかかり、全くと言っていいほど普及していない。現場の整形外科医はその必要性を痛感し、ずーーっと「あったらいいな」と思い続けている。

その声に気づいたのが、整形外科医を父に持つ鬼塚さんだった。医師達の声が救い上げられることなく、未だに「紙」「ハサミ」「テープ」を使ったアナログなシミュレーション方法が、業界の9割9分を占めているというのは驚きだ。

手術前の精度の高いシミュレーションの必要性は世界的に認められていて、父親の鬼塚医師によると、スウェーデンでは難しい骨の手術の際、バーチャルのシミュレーターで一定の点数を取らなければ手術が許可されない体制を取っているという。ちなみに、そのシミュレーターは1台数千万円。

今回の鬼塚さんの挑戦に長崎大学病院の医師達が賛同し、蓄積したCT画像の提供やユーザーとしての意見のフィードバックを行っていることも、奇跡だと思えた。普通、企業と大学が商品開発で連携するには、いくつものハードルを超えねばならない。

父親の整形外科医としての功績と信頼が切り開いた道を素直に爆走してきた息子は、たった1年で会社設立目前までたどり着いた。驚異のスピードは、それほど現場が求めているアイテムだという裏付けでもあろう。
世界の整形外科手術を、長崎生まれの「3Dボーンズ」が支える日が、きっとくるに違いない。

(NBC長崎放送 / 古川 恵子)

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