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布をつなぎ人をつなぐ「お直しビジネス」

SDGsの推奨やコロナ禍において再注目されているのが洋服の補正、「お直し」。
この「お直し」をビジネスとして拡大したいと奮闘するのが、熊本市の「コアトリエ」のオーナー、大山愛美(40歳)さんだ。「お気に入りの1着を少しでも長く着続けられるようにするのが“お直し”」と話す、大山さん。縫製に携わり25年。アパレルメーカーで培った技術と経験をいかして独立。工房にあるミシンで、客の要望に応じてサイズやシルエットを変えていくその腕前は、客からの信頼も厚い。

今年6月、その評判を聞いたクリーニングの大手チェーンからの依頼を受け福岡の店舗に併設されたのが「お直し工房」。クリーニングの依頼・受け取りと同時に補正のオーダーも受け付けるという新たなスタイルの店だ。また大山さん自身も自らの技術をリモートで伝える「人材育成」やオンラインでの受注システムの構築など、ビジネスチャンスの拡大に余念がない。一方では、縫製工場で出る洋服の残り生地を集めてつなぎ合せ、布に仕立て直す取り組みも。背景には廃棄を減らすのと同時に新たな雇用を生み出したい、という思いがあった。

「“お直し”は人をつなぎ、社会をつなぐ」。大山さんの取り組みを追う。
取材先:コアトリエ
担当者:代表 大山愛美
住所:熊本市中央区新大江17-10 K2ビル2階
TEL:096-200-1141
ホームページ:https://coatolie.com

取材後記

小柄で“ほんわか”した印象の大山さん。
取材を進め、彼女の取り組みを知れば知るほど「この人がこんなことを!」の思いが強くなった。それは本人も同じなようで「不思議よね、縁よ縁」と笑う。しかし根底にあるのは「お直し」への熱い思い。「直してキレイにする」ことがとにかく大好きで、縫製や作ることに意欲的。だからこそ技術を残したいとの思いが強く、それが様々な取り組みにつながっている。

 今後は熊本県内の被服科がある高校全てを回って「お直し」講習を行う。さらに県外の織物工場などと手を組んだ「アップサイクル事業」も始める予定だ。大山さんの「お直し」を広め継承する挑戦はつきることがない。

(RKK熊本放送 / 久保田泰代)

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